【アモリ通信464】 社長の財務戦略

◎◎さん(^^♪

こんにちは。

SILアカデミー 1on1 オンライン顧問
ジョガーFの福島清隆です。【専門は物流です】

本日のテーマは「社長の財務戦略」です。


井上和弘の経営革新全集 X

社長の財務戦略   P232~P236

 日本経営合理化協会出版局


 同書は約400ページのカバー本で価格が
13000円します。購入した時、確認不足もあった
のですが、正直なところ
「ええっ・・1冊で13000円もするのかよ、ボッ
タクリじゃないか・・と」、かなり後悔し、
自分の軽率さを反省したものです。
 しかし、それだけのカネをかけて購入したので
あれば、しっかり読み込んでおかねばと、ビンボ
ォ~で、まじめで、素直な凡人、青年キヨタカ君
は(マジか?)本気で精読しました。

 経営コンサルタントにしろコーチも研修講師も
そうでしょうか、「付加価値勝負」だと思います
。「安さで勝負」のようなビジネスとは一線を引
くべきでしょう。

「いいものは高い」。単純でシンプルな原則を同
書を読みながら感じてます。

 例の如く、あまり転載し過ぎると問題になるの
かもしれませんが、上記についてご紹介します。
 「井上和弘」という方もこの分野では一流の人
物なのだろうと思います。


◎ 現金を積むより、資産を現金化しよう

      (前略)

 今やインターネッで土地の路線価核を見ること
ができ、グーグルで現場の写真まで見ることがで
きる時代。含み損を抱えたままで帳簿価格でつく
っていると、マイナスはさらにふくらみます。
取引銀行もすでに知っています。そういう時代に
なったと知るべきです。

 私は、価格の落ちたものは在庫商品と同じく
早く売却してしまいなさい、除却損失として計上
し、税引前利益を減じて節税しなさいとおすすめ
してきました。
「商売で使っている土地や建物、どこぞの誰に売
るのですか?」・・・・中には目を三角にしてお
っしゃる方もいます。もちろん買い手はすぐには
見つかりません。

井上「子会社か関連会社に売ってしまいなさい」
社長「そんな子会社、ありません」
井上「設立しなさい」
社長「赤字になります」
井上「営業利益、経常利益が出ているのですから
   かまいません」
社長「納税逃避だと税理士が反対します」
井上「そんな税理士、クビにしなさい」

株式会社X商会は15年前に子会社Y開発をつく
り、価値の下がった本社ビルをそこに売却。
5年前にはまたも値下がりしたので、子会社
Z社をつくり、そこへ売却。そしてまたも近
々値下がりしているので2年後には外部に売却し
、本社機能は本社工場に移転する計画にしてい
ます。もっとも、この手法は私以外にも実践され
ていたようで、グループ法人税法が導入された
平成22年10月1日以降は、100%子会社の場合は
同じ手法が使えなくなりました。

 しかし、このスキームは知恵を働かせればいく
らでも応用が可能です。
 含み損をもっている土地はどんどん売却してし
まうことです。(99%子会社ならOKです。1%は
関係ない人がもてばよいのです)

◎ もっとツワモノを大勢知っています

 こういう会社があります。
 中古品を中古市場から購入し、オーバーホール
して使い、2~3年すれば市場で売っぱらう・・・。
また中古品を買って、中古価格をにらみながら
機械設備の更新をする・・・とてもしたたかです
 たとえば地方の土木建設C社は、社長が自衛隊
の整備士出身だけあって、中古機械をばらして
チューンナップすることなどお手のもの。倉庫に
はずらっと整備された中古建設機械が並んでいて
も、帳簿上の価格はとてつもなく低いのです。
 余計な借入金はなく「特別償却」を目いっぱい
適用して、資産を身軽にしながら、使えるおカネ
がどんどん増えていく・・・・・

 豪雪地帯、冬になればアタッチメントを着けて
償却済みの車両が大活躍するのです。
 こうして、公共事業激減の逆風の中で、同業他
社の苦境を尻目に増益を続けています。

 どういうことかというと、メーカー経営者はご
存知ですが、工業機械の償却年数は6年です。
 新品の工業機械を購入した場合は、下の表のと
おり、耐用年数6年の定率法の償却率は「0.333」
で、購入代金に「0.333」を掛けた金額が1年目の
減価償却費となります。

    中古の工業機械の償却率(定率法)
 耐用年数    定率法の償却率
  2 1.000
3 0.667
4 0.500
5 0.400
6 0.333
7 0.286
 ・          ・  
   ・          ・
   ・          ・ 

 一方、4年落ち(*「落ち」とはその機械や
車両が日本国内で初めて登録された年度から何年
経っているかの意)の工業機械の耐用年数は、
6年-4年=2年に、経過年数×20%=0.8年を
プラスして算出します。

 算出結果は「2.8年」となりますが、1年未満は
切り捨てになりますので、4年落ちの工業機械の
耐用年数は「2年」となります。

 上記の表が示すとおり、耐用年数「2年」の償
却率(定率法)は「1」です。つまり、耐用年数
2年の固定資産の減価償却費は1年目で100%費用
化できるのです。

(ただし減価償却費は月割りで計算しますので
期末ぎりぎりに購入した場合は1ヶ月分、つまり
12分の1しか費用として計上できません)

 先の土木建設C社の固定資産台帳陰に、機械車
両がほとんど載っていないのは、多くを1年目で
費用化しているからです。

 経営者によく知られている「4年落ちの中古の
ベンツを買って節税する」というのは、まさに
1年目で全額費化することによって支払う法人税
を合法に減じることなのです。


・4年落ちの工業機械の耐用年数は「2年」とな
 ります。

・耐用年数「2年」の償却率(定率法)は「1」
 です。つまり、耐用年数2年の固定資産の減価
 償却費は1年目で100%費化できるのです。

・「4年落ちの中古のベンツを買って節税する」
 というのは、まさに1年目で全額費化すること
 によって支払う法人税を合法的に減じること
 なのです。


そんなことは常識。昔から知っている。

そう言い切れる中小企業の経営者がどれほどいら
っしゃることか。
中堅企業以上の規模の経営者のみならず、経理・
財務部門ではない幹部、管理職でも、こういう
ことは知らない方が大半なのではないでしょうか

かくいう私も、会社のキャッシュとは、、
(厳密にいうともう少し複雑ですが・・・)
 「税引き後利益+減価償却費」
ということを知ったのは、定年後にある組織に
所属して勉強会で学んでからです。

アンタそんなことも知らなかったのか・・・・

と言える人は結構少ないのが現実ではないでしょ
うか。

◎◎さんは、今回の話、とっくに知って
いて、特に学びになったという事はない。とい
うことでしょうか。あるいはまだ内容がよく分
からないというところでしょうか。
 もし後者であれば、減価償却費の意味を今
からでもしっかり把握されることをお勧めしま
す。

ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

◎◎さんの幸運な日々を祈念します。

 
 
 

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