【アモリ通信179:習近平の真意】  20180926


福島清隆 さん

こんにちは。

キャッシュフローコーチ &
   リスクマネージャーの福島清隆です。
本日のテーマは「習近平の真意」です。
-----------------------------------------
 異形の大国を操る「習近平の真意」
  長谷川慶太郎
◎ トランプとの賭けに負けた習近平
  無条件降伏した金正恩
◎ 東アジアの主導権は米国が握った!
  日本は安心して朝鮮半島、一帯一路の
  インフラに投資して儲けろ!
  徳間書店  1500円 + 税
-----------------------------------------
「アモリ通信」は基本的に政治の話題はNGです。
ま、しかし、ここで政治的信条(な、ものはありま
せんが・・・苦笑)をアピールする訳でもありませ
ん。
いつも思うことですが、メディアの情報を鵜呑みに
していては「判断を誤る」というのがむしろ個人的
確信になってます。
もちろん、長谷川慶太郎から学ぶ著書にも、過去、
いくつかの「外れ」があります。特に内外の政治情
勢の分析等。
そうはいえ、常に悲観論を説く多くの「評論家」と
違って、既にかなりの高齢になられた国際エコノミ
ストの同氏から学ぶ点は、今でも少なくないと私は
思っています。
特に経済や軍事面に関する分析では他の評論家と違
うレベルにある人物と私はみています。

今回は上記の著書から、何点か、気になった点を抜
き出して纏めてみます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「最も長く続いた共産党政権が旧ソ連で73年。
 習近平総書記は政権樹立から69年。
 この異形の大国をソフトランディングさせるため
 『実験国家』の運営に乗り出したのである。
 良くも悪くも中国のこの文脈に沿って北朝鮮問題
 も日中貿易問題も米中貿易摩擦問題も分析してい
 かなければならないと思う」
     (「まえがき」より抜粋)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇 金正恩の申し入れに習近平が応じて中朝会談で
  ”縁切り”を通告
・習近平は金正恩に次のように言明した。
「今回があなたの最後の北京訪問となる。もうこれ
 以上、我が国はあなたの国を支援できない。我が
 国の最高指導部の決定なので、あなたの国は自ら
 の才覚と判断で生きる道を探してほしい」
・つまり中国は北朝鮮を切り捨てる路線を選択した
 しかし、ソ連と違っていかにもアジアの大国らし
 く国賓待遇を行って、トップからトップへと直接
 意向を伝えたのだった。
・中国の財政は表向きの発表とは全く異なる。
 筆者の推測では中国の借金はGDPの4年分。
 日本円にすると4000兆円を超える金額。
 これでは中国に北朝鮮を支援する力などあるわけ
 がない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇 農村戸籍と都市戸籍が中国国民を隔てる
・一種の身分的な差別を生んでいる農村戸籍と都市
 戸籍の違い。
・不満を溜め込んでいるのは権利意識が高くなった 
 新世代農民工。
・農民戸籍と都市戸籍の区別をなくし居民戸籍への
 統一を目指す。
・農村部と都市部の格差是正に本腰を入れざるをえ
 なかった中国政府。
*農村戸籍と都市戸籍の統一をスムーズに進めてい
 ける措置がある。しかし、そうなると農村部から
 都市部に大規模な人口移動が起こる事態も予想さ
 れる。
 農民工に与えられた経済構造も崩れていくであろ
 うから、ソフトランディングは容易ではない。
 いずれにせよ、中国の戸籍問題は一筋縄ではいか
 ない。習近平の手腕が試される。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇 人民解放軍は中国共産党の軍隊
・陸軍中心だった軍構成を改めるとともに七軍区を
 五戦区へと再編
 今回の改革の狙いは、作戦の指揮能力の向上と運
 用の効率化に加えて、陸軍、海軍、空軍を組織上
 並列の扱いとし、これまでの陸軍を特別扱いする
 軍のあり方を是正すること。
・昔から「人間のクズしか兵隊にならない」とされ
 ている中国
 中国では兵隊の社会的地位は低いのである。
 社会的地位が低いと国家や国民のために尽くそう
 という意識を持つのは難しいだろう。
 そんな兵隊ばかりの軍隊が強いはずがない。
 また、人民解放軍、とりわけ陸軍は地方では土着
 化している。地元の有力者と繋がって利権を漁っ
 ている。もともと弱い軍隊が土着化したら、他国
 と戦う意欲など出てこない。
・人民解放軍の幹部が地方の有力者と結びついて私
 腹を肥やす。
・共産党中央の統制から外れて勝手に動く軍隊の危
 険性
 人民解放軍を完全な統制下に置かない限り、習近
 平一強体制は完成しない。その時期が来るとして
 もまだ先のことだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇 潰すに潰せないゾンビ化した国有企業
〇 シャドーバンキングは不健全な中国の金融の象
  徴
〇 中国経済に打撃を与え続ける天津大爆発事故
・毒ガスによる兵隊の犠牲を恐れて事故現場に除毒
 部隊を派遣せず。
 今でも中国政府はこれについていっさい触れない
 し、関連の報道もない。
 爆発を起こしたのは新疆ウイグル自治区のウイグ
 ル族のテロリストである可能性が高い。
 なぜ習近平総書記が除毒部隊を出さなかったかと
 いうと、兵隊に多くの犠牲者が出ることを恐れた
 から。
 中国の共産党政権は国民よりも兵隊のほうを大事
 にするということなのである。
・復旧の時期がずれ込めばずれ込むだけ中国経済は
 打撃を受ける。
 今では、天津大爆発の現場報道をしたら、その特
 派員ばかりかメディア自体も中国から追放になっ
 てしまう。
 中国政府の報道管制がうまくいってることになる
 が、逆に云うと中国政府は天津大爆発事故に触れ
 てほしくないのだ。
 中国経済のウィークポイントであり、習近平政権
 の泣き所なのである。天津港および浜海地区を元
 に戻すにもまだ巨額の費用と長い時間がかかる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇 南シナ海と尖閣諸島は領有できるのか?
・南シナ海で中国に侮られるようになったのはオバ
 マ政権の責任
・米軍に南シナ海から追い払われる日が必ず来る中
 国の南海艦隊
 トランプ大統領は就任前にツイッターで「中国は
 我々に南シナ海の真ん中で大規模な軍事複合施設
 を建設していいかどうか了承を求めたのか。私は
 そうは思わない」と中国を直接批判し、中国の責
 任を問うという姿勢を示していた。
 中国との賭けに勝ったアメリカは東アジアでのヘ
 ゲモニーを完全に握った。
 だから南シナ海でも、その気になれば米海軍の機
 動部隊が南海艦隊を追い払うことなど簡単だ。
 中国も南シナ海から完全に手を引かざるをえなく
 なる日が必ずくるだろう。
・日米安保条約が適用される尖閣諸島を中国が領有
 できるはずがない
 もし中国の部隊が尖閣諸島に上陸したとしても、
 尖閣には一本の川もなく一滴の飲み水もないので
 のどが渇いて死ぬだけだ。
 そういうところに仮に何百人、何千人の部隊を上
 陸させたとしてどこから水を補給するのか。
 周辺海域と空域は日本の自衛隊が完全に押さえて
 いるので、中国の上陸部隊は補給路を確保できな
 い。
 補給もできないのに上陸するとしたら、それはも
 はや軍隊ではない。軍隊である人民解放軍が尖閣
 諸島に上陸するようなことは心配する必要はない
 のである。
 また、オバマ大統領は2014年来日時の日米共
 同声明で「尖閣諸島にも日米安保条約が適用され
 アメリカ政府が防衛義務を負う」
 「尖閣諸島への侵略行為があったら米軍が防衛の
 ために共同作戦を行う」と確約した。
 もし、人民解放軍が尖閣諸島に手を出したら、米
 中戦争を覚悟しなければならない。
 米中戦争をして中国が勝てるはずがない。
 鎧袖一触(がいしゅういっしょく)で中国は敗北
 する。
 中国がそんな大きなリスクと小さな尖閣諸島を
 天秤にかけるはずがない。
 中国はけっして尖閣諸島を領有することはできな
 いのである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
更に、一帯一路、米中貿易摩擦、ITによる国家統制
共産主義から資本主義自由経済へ等、同氏の推測、
考え方が明記されてあります。
長谷川慶太郎の著書からは、他の著名人によるTV
や雑誌、書籍他での解説とは異なった見解を学ぶこ
とが度々あり、余計な悲観論を吹き飛ばしてくれる
爽快感があることも少なくありません。
もっとも、中国や北朝鮮は今年中にでも崩壊すると
予測しながら、約20年近く経過するでしょうか、
予測が全く当たっていない現実もあります。
日本の政治情勢の予測にしても然り。
そうはいえ、総てを正確に予測できている人など、
世の中には存在しません。
諸々の考え方を知るというスタンスでいいと私は思
います。
 
習近平は「毛沢東」のようになっていってるらしい
のですが。果たして彼の下で、中国が更に近代化し
本当の大国に育っていくものなのかどうか。

2002年半ばから2007年初めまで、中国ビジ
ネスと関わりを持った私は、単純な話・・・・・
「交通マナーがこれほど出鱈目な国が真の意味で
世界の大国になることなどあり得ない」という
「持論」を持っています。
正直な話、今でもその考え方は変わっていません。
「そんなレベルで一国を語るな」とお叱りを受ける
でしょうか?
 

福島さんは習近平政権のもと、中国は着実に
本当の意味で世界の大国へと成長していくと思われ
るでしょうか。
 

ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。
 

最後まで読んでいただきありがとうございます。
 

福島さんの幸運な日々を祈念します。
 
 
******************************************
      Amazon・Kindle 【アモリ通信】
 最新配信版:第17弾
 二人の二刀流:全10話(161~170)
 https://www.amazon.co.jp/dp/B07G15GCSV
 2017年度配信版:全51話 (90~140)
 https://www.amazon.co.jp/dp/B078RFBFJQ
 2016年度配信版:全51話:(39~89)
 https://www.amazon.co.jp/dp/B01N34FSYO
 2015年度配信版:全38話:(1~38)
 https://www.amazon.co.jp/dp/B01JYVOREU
******************************************
SILマネジメントサポート 代表  福島清隆
・オフィシャルサイト:http://www.sil-ms.jp
・お問合せE-mail: info@sil-ms.jp
 
------------------------------------------
Copyright(C)2015 SILマネジメントサポート
All Rights Reserved.
 
 
 

お問い合わせ・ご相談

ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

SILマネジメント株式会社

お問い合わせ・ご相談はこちら