【アモリ通信170:兵法三十六計 PART2】 20180725

 

福島清隆 さん

こんにちは。

キャッシュフローコーチ &
   リスクマネージャーの福島清隆です。
本日のテーマは「兵法三十六計 PART2」です。
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36の日中間ビジネス事例で学ぶ
中国人のビジネス・ルール
    兵法三十六計
      梁増美 (masumi  ryo)
                     Discover 社
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本年3月28日に配信したアモリ通信第153
https://www.sil-ms.jp/93077.html
の続編でPART2です。
今回は第十三計から二十四計までをご紹介します。
 
第十三計  打草驚蛇  (だそうきょうだ)
敵に警告を発して脅す
この言葉には三つの意味があるという。
ひとつ目は、草をたたいて、隠れている蛇、
すなわち敵の伏兵を探すという意味。
二番目は、草をたたいて、隠れている蛇に警告を与
えるという意味。
「おまえを殺す敵が来ているよ」と、敢えて警告す
る。
それによって、戦わずして敵の戦意を喪失させるの
だ。
こういうところにも、直球を投げない中国式のやり
方がよく表れている。
そして三つ目が、挑発するという意味である。
尋常ではないやり方で相手にショックを与え、
相手からリアクションを引き出していくのである。

【要点】
●警告によって相手の戦意を喪失させるのが中国式
 のやり方だ。
●警告に気づいたら相手の意図が何なのかをまず探
 ろう。
 
第十四計  借屍還魂   (しゃくしかんこん)
古いものを利用して新しいものをつくる

他人の死体を借り、魂を戻してもう一回生き返らせ
るという意味。
歴史上では、滅んだ王朝の子孫をかつぎ出して利用
するのをこう呼んだ。
いったんダメになったものを再利用する計である。
かっての満州国が例としてはぴったりだ。滅んだ
清朝の皇帝溥儀を日本がかつぎ出して満州国の皇帝
として再利用したのである。
当時の日本にこの計を使うという考え方があったか
どうかわからないが、この計のもともとの意味どお
りの使い方をしているのは確かだ。

【要点】
●中国における改革は、古いものを壊して新しいも
 のつくるのではない。
 すでにあるものを利用して、少しずつ変化させて
 いくことだ。
 
第十五計  調虎離山  (ちょうこりざん)
敵を不慣れな環境に誘い出して攻める
「トラをそそのかして山をおりさせる」、すなわち
相手にとって有利な地形から離れさせるという意味
だ。
敵の兵力や要塞が充実していたら、それを攻めるの
が上策ではない。
敵をおびき出して不慣れな環境に置いてから攻める
ほうがよいのだ。
日本企業を不慣れな内陸部へ誘致
土地は安いが水も電気もない

【要点】
●誘致している中国側がなにを目指しているのか、
 よく検討しなければならない。
 
第十六計  欲擒姑縦   (よくきんこしょう) 
敵を捕えたいときはわざといったん逃がす
わざと逃がして自由にさせておいて油断させ、すき
ができたところで捕えるという計である。
敵を完全に追い詰めずに解決するのが中国的なやり

【要点】
●真の目的を実現するためには、他のことは譲歩す
 るのも選択肢のひとつ。
 
第十七計  抛磚引玉  (ほうせんいんぎょく)
つまらない物を出して貴重な物を引き出す
磚(かわら)を投げて玉を引き寄せるというのは、
つまらない物を見せて相手からいい物を引き出すと
いう意味である。
次々と投資させられたあげくに撤退に追い込まれた
日本企業

【要点】
●中国側はただ謙遜しているのではない。
 相手の真意を見抜いて対応しよう。
 
第十八計   擒賊擒王  (きんぞくきんおう)
敵を捕えるには、まずその指導者を捕える
盗賊を捕えようと思ったら、その王(首領)を捕え
よ、というのが文字通りの意味。
目的を遂げるために、相手方の指導者、または指導
者に大きな影響力を持つ真の実力者を押さえるとい
うことだ。
トップの奥様を懐柔する。
社長に要求するために秘書を利用する。
中国企業との交渉ではトップを落とせ。

【要点】
●華人企業はトップダウンだから、交渉はトップを
 落とす。
●トップを落とすために、奥さんを懐柔する手もあ
 る。
 
第十九計  釜底抽薪  (ふていちゅうしん)
敵の勢いを削ぐ
釜の底から薪を抜くと火力が弱まる。
ビジネスでいえば、とても儲かっている企業の勢い
を削ぐ方法として使われている計である。
中国では、勢いのある企業は狙われる。

【要点】
●中国では勢いのある企業は引きずり下ろされる
 危険があると考えたほうがよい。
●いざというとき助けてくれそうな人や機関と
 良好な関係を築いておこう。
 

第二十計  混水摸魚  (こんすいばぎょ)
敵を混乱させ、それに乗じて攻撃する

池に手を突っ込んでかき回し、水を濁らせて魚を
とる。
すなわち、敵の内部を混乱させて、それに乗じて
目的を達成するという計である。
わけのわからないことを言っているのに交渉が
有利になる不思議。

【要点】
●中国側は、交渉の不利を逆転するために、わけの
 わからないことをいい出すことがある。
●中国人は、争いを表面化させるのを嫌う文化から
 筋の通らない言い分でも譲歩することがありえる
 
第二十一計  金繟脱殼  (きんせんだっかく)
自分の陣地をもぬけのからにして脱出する
セミは幼虫の姿のままの殻を残して、美しい成虫と
なって現れる。
敵をあざむくため、自分の陣地にそのままいるよう
に見せかけ、じつはもぬけのからにして、ひそかに
移動するという計。
一挙に経済大国となる中国
五年ごとに会社を清算する華人企業

【要点】
●中国人は、表面に出ないようにひそかに準備して
 姿を変えることがある。
 
第二十二計  関門捉賊  (かんもんとくそく)
敵を閉じ込めてから捕える
賊が入ってきたら門を閉めてつかまえるという意味
日本企業が進退きわまってしまう状態に陥るのは、
この計にかかっていると見ることもできる。
儲けるためには追加投資をしなければならなくなる
中国大陸での交渉は避けた方がいい?

【要点】
●中国企業との契約では、いい話ほど警戒する必要
 がある。
●交渉の場は中国ではなく日本または第三の国にし
 たほうがいい。
 
第二十三計  遠交近攻  (えんこうきんこう)
遠い国と結んで近くの国を攻める
遠くの国と友好を保ち、近くの国を攻撃するという
意味。
戦国時代、秦はこれによって近くの国から滅ぼして
いき、勢力を拡大した。
遠い国を攻めるのは地理的にも不利であり得策では
ない。しかし、近くの国は弱点も知りやすく攻撃も
容易なのである。
中国人は自分の弱みを見られるのを恐れる。
中国語を知らない人はだましやすい。
三十六計を知ってるだけで有利になる

【要点】
●兵法をはじめて中国の文化を理解することが、
 中国側から攻められない方法になる。
●相手と信頼関係を築いて「自己人領域」に入る
 ことが最大の防衛手段だ。
 
第二十四計  仮道伐虢  (かどうばっかく)
他に行くように見せかけて目的地を攻める
「道を借りて虢という国をとる」が文字通りの
意味。
虢とは、古代の小国の名だ。ある大国が別の小国
を攻めるので通過させてほしいと虢の国に頼んだ
虢はそれを受け入れて通過させるが、その国は別
の国を征服したあと、虢の国も支配下に収めてし
まった。
最初から虢がねらわれていたのだ。
業務提携には隠された目的があった。

【要点】
●華人企業が業務提携を望む本当の目的は何か、
 よく考えてみる価値はある。

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この原稿を書いてるときは、日朝会談があるかない
か、駆け引きがなされている最中でした。
中国と北朝鮮は同じではないにせよ、北朝鮮の背後
に中国が(そしてロシアも)いることは明らかです
そんな中、アングロサクソンの原理で動く米国との
駆け引きの中で、日本は埋没してしまわずに済むも
のかどうか。
少なくとも私には日本は、中国の長期戦略、米国の
パワーゲームには歯が立たないような気がしてなり
ません。
グローバルな世界で生き残るためには、日本の伝統
・文化、そして日本人独自の考え方は捨て去った方
がいいなどとは100%、そのようには私は思いま
せん。
しかし、日本の政治の混乱や、諸々の事件の現実を
考えると、日本は本当に大丈夫なのだろうかと、大
いなる疑問と不安を感じなくもない昨今です。
心配していては、心配した通りになるという考え方
もありますので、基本的には「日本は大丈夫」と楽
観的に考えるように努めます。

その為にも、異文化を知り、多角的な物の考え方を
一旦は受け入れて、咀嚼する習慣を身につけておき
たいものです。
 

福島さんは「兵法三十六計」の考え方は、
世界的に通用するものと思われますか。
あくまでも中国人の考え方に過ぎないと思われるで
しょうか。
私は、国は違って応用できる部分、真似できる部分
が少なからずあるように思います。
 
ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。
 

最後まで読んでいただきありがとうございます。
 

福島さんの幸運な日々を祈念します。
 

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