【アモリ通信156:『 会社は「1人」で経営しなさい』】  20180418

 
福島清隆 さん

こんにちは。

キャッシュフローコーチ &
   リスクマネージャーの福島清隆です。
本日のテーマは
  『 会社は「1人」で経営しなさい』です。
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 社員ゼロ!
 会社は「1人」で経営しなさい
 税理士  山本憲明
      明日香出版社 \1500 + 税

 「小さい会社」の時代が到来
  正社員はいらない!
 「大きくしない」「小さくする」が正解!
  すでに独立している人も、
  これから起業する人も必読
  小さな規模できっちり儲ける必勝法
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先日、上京した折、浜松町でモノレールに乗る前に
いつもの書店で時間調整していた時、目についた書
籍です。
書籍はアマゾンで購入することがほとんどなのです
が、ついつい衝動買いしてしまいました(苦笑&汗)

結論から言うと、半分は納得、半分は懐疑的。
定年起業で生涯現役を謳っているいる自分としては
極めて現実的というか素直に受け止めるべき指南書
かもしれない。
しかし若い人や中年の人でも皆が皆、こんな考え方
になってしまったのでは、ちょっと情けないという
か、悲しいというか、もっともっと夢を持っていい
のでないか。

その辺の感想は、アモリ通信の読者の皆様それぞれ
のご判断にお任せするとして、一部要点のサマリー
をしてみます。
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「会社をいかに大きくするか」
「会社を作るからには、上場を目指す」
「売上を右肩上がりで増やす!」
これまでなら、創業者は会社をつくるとき、このよ
に考えるのが普通だったでしょう。
しかし、これからは「違う!」と断言できます。
これからは「小さい会社」の時代が、間違いなくや
ってきます。
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第1章
これからの日本経済と会社について考えよう
1.日本経済は小さくなっていく
・総人口・生産年齢人口共に減少を続けていくので
 経済規模が小さくなっていくのは避けられません
・緩やかな衰退を前向きにとらえ、その中で自分は
 どう生きていくのかを考えたほうがよっぽど建設
 的です

2.会社の成長を追い求めることは正しいのか
・もともと企業は「従業員は働いて得た利益」と
 「従業員に渡す給与」の差額を搾取しないと存続
 できません
・はじめから成長を追い求めず、適度なものを維持
 していくという考え方のほうがいいかもしれませ
 ん
・売上が下がっても工夫次第でどうにでもなります
・「成長しないと、生きていけない」という考え方
 は、この際一切捨ててもいいでしょう

3.政情も不安定、何が起こるかわからない
・事業をはじめるときや事業を再構築するときは、
 国際情勢の変化になるべく影響されないものを選
 んで行くことも必要でしょう
・国際関係や国際情勢に気をつけておかなければ、
 事業を進めていくことができなくなることも、
 自分の身に危険が降りかかることも考えられる、
 ということを頭にいれておきましょう

4.大きな会社ほど厳しくなってくる
・「永遠に存続する」とか「とても安定している」
 などと思われていた企業が合併したり、外資の
 傘下に入ったり、倒産したりということが頻繁に
 起きています
・これまでと同じ右肩上がりの計画を立てて経営し
 ていけば、大企業は大きな体を抱えているわけで
 すから、経費がかさんで利益が減っていきます。
 そしてついには先ほど挙げたような倒産・合併・
 買収などの憂き目にあうでしょう

5.「労働」と「お金」の価値が下がっていく
・私たちは、自分の仕事が機械に置き換わってしま
 う仕事なのか、ということをまずは考えなくては
 なりません
・人間の労働価値は相対的に下がるでしょう。機械
 にお金をかけたほうがいいということは、人間に
 支払う報酬や給与を当然下げられるということに
 なります

6.「65歳まで安穏、その後は悠々自適」とはい
  かない
・これからは「どんな道を通ってもいいから、好き
 なことや得意なことをして生き、なるべく長く仕
 事をする」ことが求められるようになるはずです
・「1人経営」は1人もしくは超少人数のスタッフ、
 (基本的には、従業員ゼロ)で仕事をして、稼い
 でいくというスタイルです

7.解決策は「1人経営」が増えること
・1人で経営すると、経費などの支出を非常に小さく
 することができるので、それに伴い必要な売上高
 も減らすことができます
 必要売上高が減ると経営が楽になり、経営者がス
 トレスから解放されます
 
第2章  会社を大きくしてはいけない

1.会社を大きくする弊害
・「右肩上がりを目指すと大半は崩れていく」
・売上を右肩下がりに少しずつ収束していき、その
 中で利益をどう出すかということを考えたほうが
 よっぽどうまくいく確率が高いはずです 
・「会社を大きくしていくと、『人の問題』が顕在
 化する」
・「会社を大きくすると、小さくしていくのが難し
 い。ずっと維持するのは本当に大変」
・先に従業員を減らそうとしても簡単には解雇でき
 ませんし、拡張した設備を小さくしていくのも困
 難です

2.これからの時代に会うのは「1人経営」
・小回りや方向転換が容易
・小さい会社は売上を下げながら利益を増やしてい
 くやり方もできます
・時代に合わない事業をやめて新しいことをはじめ
 軌道に乗せていくことも比較的簡単です
・軌道に乗った仕事は人に任せ、自分は新しいこと
 にチャレンジしていく、という生き方もできます
 
・重しを乗せながら生きていくのではなく、気持ち
 を軽くして生きていくことが可能です
3.「1人経営」は生産性の向上がしやすい
4.小さいことによるメリットはこんなにある!
・「家計と結びつけた経営計画を立てられること」
・家計管理ができている社長が経営している会社は
 ほとんどがうまくいってます
・個人の会計管理から会社の会計管理につなげられ
 ることが、「1人経営」のメリットでもあります
・規模が小さければ小さいほど、撤退する(事業を
 やめる)障壁が低くなり、事業をやめたり切り替
 えたりすることもやりやすくなります
5.オフィスや従業員はもういらない
6.外注やスタッフに、どのように仕事をしてもら
 うか
7.雇われない生き方、雇わない生き方
・マルクスの資本論
 「世の中には投資家と労働者という2種類の人間
 がいて、投資家が労働者から搾取することで資本
 主義がうまく回っています
・「縮小していく時代」には搾取も苦しくなってき
 ます
・人を雇って搾取しない。人に雇われて搾取されな
 ようにしたいものです
8.売上の上げ方  (営業と集客)
・①営業ではなく、売らなくてもお客さんがくる効
 率のいい商売を選ぶこと
・②その商売を効率よく広めること
・商売を決める時とき、勝手に売れるものを選ぶこ
 とです
・まず大切なのは、営業をガンガンやって多くの売
 上を上げるよりも、粗利益が高くて仕事自体の効
 率がいい商売を「よく考えて選ぶ」ことです
・1人会社においては「小さなメディアを作っておく
 」ことが大事になります
9.ビジネスの範囲
  (1人でできるビジネスを考える)
・大きな会社で行われていることは結局、事業を大
 きくして、仕事の量を増やし、それを大人数でや
 っているだけです
・AI・ロボット全盛の時代になれば、どんなビジネ
 スでも1人でできてしまうようになるはずです
・大きくしても小さくしても(1人でも)できるビ
 ジネスもあれば、逆に小さくするからこそ儲かる
 ビジネス、1人でやるほうが効率のいいビジネス、
 1人でなければできないビジネスもあります
10.1人経営の例
 ①飲食店  ②コンサルタント ③1人出版社 
 
第3章 1人会社の「お金」について考える
1.資金繰りを考えなくてもいいようにするのが経
  営の極意
・十分な売上を計上することもできないのに従業員
 を増やし、設備をよくして、経費をたくさんかけ
 る。借入金を食いつぶす。そういったことが、資
 金繰りに悩む原因となっているのです。
・1人で経営していけば、資金繰りに悩むことがあ
 りません。売上を大きくすることはできまぜんが
 売上高に応じて設備や使う経費などを変えていけ
 ばいいわけです。
2.「逆算式経営計画」でお金の不安が解消する
  その一
・小さな企業の経営においては、「家計から逆算し
 て必要売上高を求める」「必要売上高はなるべく
 小さくする」ことが大事です
・1人会社においては、会社を経営する(その会社
 に投資している)社長(つまり本書を読んでい
 あなたです)が、経営だけでなく、人生トータル
 を幸せにしていくことが大事です
  
・仕事をやめてから(稼ぐのをやめてから)死ぬま
 でにいくらのお金がかかるかを計算します
3.「逆算式経営計画」でお金の不安が解消する
  その二
・大原則として、家計においては、もらった給料
(税引き前の額面)を、税金、生活費、将来への投
 資に均等3分割すると覚えておいてください
・「1人経営」をする場合に大事なのは、役員給与
 を『逆算』して求めることです
・「1人経営」の基礎数字については、答えを先に
 言ってしまうと、「粗利額を、役員給与4:経費
 4:利益2に分配する」というものです
4. 税金の知識はこれだけわかれば万事OK
・利益1000万円のとき、全部の税金の合計がざ
 っくり250万円くらいかかると思っていればい
 いでしょう
・課税所得500万円(額面給与900万円)の場
 合、税金と社会保険料の合計でざっくり175万
 かかるという感じです。つまり約3分の1です
・税金を減らすことを考えるのであれば、政策上設
 定された、税金が減る『特別控除』を検討してみ
 てください
5.公私混同しないことが経営成功のポイント
・大事なことは、まずはじめに会社に「投資」した
 金額の範囲内で事業を進めていくことです
・もしはじめに投入した資金が枯渇してしまったら
 その事業はもうやめる、という選択が必要となり
 ます
・社長としての報酬を優先すれば、会社の価値が上
 がらなくなります
6.お金シートで目標と実際を比べ、改善していく
・「お金シート」とは、これからの人生全体につい
 て、お金面での計画をExcelシートに記録するも
 のです(本メルマガではご紹介できません。
 本書をご購入下さい:P119 )
・大事なのは、なるべく経費や生活費などの支出を
 少なめに設定しておくことです
・100歳まで、何らかのことをして収入を得るこ
 とを計画に織り込んでおいてください
7.減らすのが超難しい「固定費」を増やさない
・コストを減らすために大事なものは、「固定費を
 減らす、増やさない」というものです
・固定費が少ないと、経営が断然楽になります
8.毎日コストダウンをしていく
・コストダウンの秘訣は、「とにかく毎日コスト
 ダウンをすること」に尽きます
・例えば、事務所を思いきってやめたり、安いとこ
 ろに引っ越したりすれば、一気にコスト下がりま
 す
9.コストダウンのコツはやめること
・「大きな経費から見直していく」こと
・毎月膨大にかかる経費は、会社をはじめる前はま
 ったくなかったものです
・ドラスティックにコストを下げるには「やめる」
 ことです (事務所代や買いもの)
・どこでも仕事ができるようにすることが大切です
10.コストダウンのためのTIPS
  ① 移動を減らす
 ② クレジットカードを使わないか
   使うなら厳格に管理する
11.「年収を減らす」ためにやるべきこと
・コストのかからない事業を探し、生活費をコスト
 ダウンして、必要な売上高つまり仕事量を減らし
 ていく、という考え方が今後必要になるでしょう
12.1人会社で残った利益をどうするかは超重要
・1人会社においては「経営者として」だけではな
 く「投資家として」の観点をもたなければなりま
 せん
・投資家として考えたとき、資本金として、会社に
 役員給与+経費4~5カ月分くらいを入れておく
 のがいいでしょう
・1人会社においては「毎年、資本の100%を
 税引前利益に計上し、税金を引いて60%程度を
 最終的に残った利益(税引後利益)とする」とい
 う、割と高いハードルを掲げたほうがいいものと
 思います

第4章 1人会社の時間の使い方
第5章 1人会社をずっと継続させていくためには
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最初に
「結論から言うと、半分は納得、半分は懐疑的」と
書きましたが、纏めてみて、更にそう思うようにな
りました。

私のように60歳で定年起業した新米事業家はまさ
にこうでなければならないと納得してます(^^♪
反面、あまりに堅実過ぎて凡人の為の小さな事業成
功の秘訣みたいな、ちょっと夢がないなぁと(笑)
今更、夢とまでは言わないにしても、松下幸之助の
教えのように「青春とは心の若さである」みたいな
世界とは異質のような。
中高年はともかくとして、若い人が最初からこうい
う考え方に染まっていいものだろうか。
著者からは「あなたはまだ分かってませんね。何の
ために本書を読まれたのですか」と、お叱りを受け
そうですが (汗)
確かに、縮小する経済、AIやロボットの発達等を前
提に考えると、右肩上がりから右肩下がりの時代で
も幸せに暮らしていくにはどうすればいいか。
その答えが本書にあるのかもしれません。

人によって感じ方、受け取り方が異なるのは何でも
同じことですね。
深入りはこれくらいにしておきます。
ご関心のある方は是非、本書をご購入下さい。
 
 
福島さんは「1人会社」の是非について
どのように思われますか。
中高年はともかく、20代、30代の人々でも
「1人会社」で生計を立て、「規模の拡大など目指さ
ない」という考え方に染まるとしたら、それも時代の
変化でやむなしとお考えになられるでしょうか?

ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。
 

最後まで読んでいただきありがとうございます。
 

福島さんの幸運な日々を祈念します。
 
 
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