【アモリ通信152:炎の永守語録】  20180321


福島清隆 さん

こんにちは。

キャッシュフローコーチ &
   リスクマネージャーの福島清隆です。
本日のテーマは「 炎の永守語録  」です。
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  炎の永守語録
  強い会社になるための一問一答
  一番以外は皆、ビリと同じ

  日経トップリーダー 2017年12月号
       ( P16 ~ P39 )
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炎の永守語録 日経トップリーダー2017年12月号
https://www.sil-ms.jp/authpage/279/86345.html
ユーザーID     nagamori
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今回は昨年のアモリ通信112:社長からのFAX
https://jyoghorse50.blogspot.jp/2017/06/fax-20170607.html
に続いて、あのモーレツな経営者、永守重信氏を
取り上げました。

日経トップリーダー12月号の特集全24ページ
を丹念にお読みすることをお勧めします。
上述の通り、小生の仕事用のHPにパスワード付
でpdfの原稿を(赤のボールペンであちこち書き込
みがあります)ダウンロードできます。
原稿をご希望の方は、このメルマガの返信で
「パスワード希望」と入力していただければ
お伝えします。
(謝罪の流儀2017に続き、ネット上に市販の雑誌の
pdfを掲載する場合、リスクマネジメント上の考え
方に基づき、一応パスワードを必要とするように
しています)
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さて、「資料を読んでください」ではあまりに
手抜きになりますので、全24ページから、ここぞ
という要点のいくつかを列記します(^^♪

1.セイミツ(2011年に買収した日本電産
  セイミツ)買収後に初めて訪問した日に
  永守社長が示した「強い企業集団づくり」
  の9項目
(1)シエアを意識し続ける経営陣
(2)当たり前のことを当たり前にやれる社員集団
(3)競争に勝てる組織と感性(たゆまぬ挑戦と
   闘争)
(4)何事にもスピード感がある対応
(5)決めたこと、約束したことは必ずやり遂げる
  (規定・ルール・納期etc)
(6)日々完結の徹底(今日できることは今日中に
   必ずして帰る)
(7)出勤率98%以上
(8)向上心溢れる使命感をもった社員集団づくり
(9)自責で考え、自責で行動、自責で発言・報告
   する姿勢
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2.社員を育てる独自のムダ削減策
  Kプロとは
  「経費削減プロジェクト」のこと
  人件費、材料・外注費などを除く、事務用品費
  光熱費、出張費、物流費、交際費などの経費を
  削減する活動のこと
  日本電産の場合、「売上高1億円当たり500
  万円以下」という指標を設けている。

  Mプロとは
    「購買費削減プロジェクト」のこと。
  「まけてもらう」をもじったとされる。
  複数使ってた調達先を絞り込んで購入価格を
  下げたり、低価格の資材を探して調達先を
  切り替えたりする。
  設計や生産方法を見直し、少ない部材で製造
  できるようにして部材費を引き下げることも
  含む。
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3.社員教育の基本は「叱責」
  日本電産の三大精神
  「情熱・熱意・執念」
  「知的ハードワーキング」
  「すぐやる、かならずやる、出来るまでやる」

  三つ褒めて、一つ叱る
  (若手社員に対しては最初は厳しく言わない)
  最初は三つ褒めて一つ叱る
  途中から三つ褒めて、二つ叱る
  さらに次は三つ褒めて、三つ叱る
  このようにして、叱る比率を褒める比率に
  だんだん近づけていく。
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4.現実化する四つの資質
  大ボラをやがて夢に変え、最後は現実に引き
  寄せて行くには無手勝流では話にならない。
  将来に向けた徹底した「計画性」
  その計画を実現していく「緻密さ」
  あらゆる物事から必要なものを吸収しようと
  する「学び」の意識
  そして、何より大きな「野望」がなくてはな
  らない。
  話の内容を「危機意識」と「夢」に分けると
・役員や上級幹部が相手の場合
 危機意識  90%   夢  10%
・部課長クラスの管理職が相手の場合
 危機意識  70%   夢  30%
・主任クラスが相手の場合
 危機意識  50%   夢  50%
・一般社員が相手の場合
 危機意識  30%   夢  70%
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5.月100件の顧客訪問
 「セールスにおける重要なことは、
  足で稼ぐことである。
  顧客をこまめに訪問することである」
 「早く納品すると、顧客は出来が悪くても
  相手にしてくれる。問題部分の修正点の
  アドバイスなどもしてもらえるから改善も
  しやすくなる。
  そうなると、他社が遅れて試作品を持って
  きた頃には、こちらのほうがいいものにな
  っているから、顧客はうちからもう離れら
  れ亡くなる」
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6.永守三大経営
● 「井戸掘り経営」
  掘れば水が出るのと同様に、改善などの
  アイデアも社員から掘り続けることが大事
● 「家計簿経営」
  収入に合わせて経費を変動させる
  主婦のような柔軟性を持ち続ける事
● 「千切り経営」
  困難な問題でも、千切りのように小さく
  分解してみれば解決の糸口が見つかると
  いうこと
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7.コスト削減策
 第一段階
A  コスト削減を費目別に実施する
 例えば、材外費、加工経費、加工労務費、
 販売管理費など
B  費目ごとに最終的な削減目標を定め、
 それを達成するためのアイテムリストを
 つくる
 ベトナムなどの各工場が主に担当し、検討
C  毎月の目標値を作り、それを小さな単位
 に分担させる
 工場の工程など、さらに小さな単位で分担

  第二段階
1 各項目担当者(生産拠点社長)などが
  実行。
    CFO直轄チームなどと毎日進捗管理
2 遅れがあると、即座に問題を修正。
  計画通りの遂行を狙う
3 週次でも社長、各役員が進捗を管理。
  各費目担当者にフィードバックする。
  1~3を繰り返し、必ず目標を達成する

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8.永守社長の経営概念図
① 財務価値を上げる
  まず利益を上げる。
  コスト構造を徹底的につくり替える
② 人材価値を上げる
  利益を上げる努力を通じ、社員の意識と
  能力を高める
③ 顧客にとっての価値を上げる
  利益を上げ、その力で新市場開拓、
  新製品・新機能開発を徹底する
④ 市場価値を上げる
  企業の価値を上げ、株価上昇。
  M&Aで、さらに企業を拡大へ
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9.零細町工場を1兆円企業にできた理由
・20数年前どころか、創業直後の永守重信
 の語録をみても、なんらかわるところはない
「1番以外は皆、ビリと同じ」
「すぐやる、かならずやる、出来るまでやる」
「限界と思ったときが、ネゴのスタート」
「絶えず”これでよいのか!”を合言葉に
 あたる」
「汚い工場からは決して良い製品を生み出す
 ことはできない」
・日本電産はもはや世界に300社の子会社
 を持ち、売上高1兆1993億円に達した
 世界一のモーターメーカーである。

・中小企業の時代は「歩をト金にする」として
 社内で鍛えるしかなかったが、今はソニー、
 パナソニック、東芝、シャープ、メガバンク
 など名だたる大企業の出身者が多数を占める
 海外のグループ会社は優秀な現地幹部がいる
・第1期(創業からの20年間)
 自ら苛烈なトップ営業をこなし、開発から
 工場の生産性向上まですべてを仕切った。
 超ワンマンの時代
・第2期 (M&Aを本格化させた1990年代から
      2000年代初め)
 人材も厚みを増したこの時代に、自らの思い
 日本電産の精神風土を伝搬する伝道師として
 の役割が大きくなった
 広がる事業や多様化した人材を効率よく動か
 すために、人を使う術にも磨きをかけた。
・第3期 (2000年代半ば以降)
 海外企業の積極買収により、ほぼ小型精密
 モーターの構造から、車載と家電・商業・
 産業用モーターに事業領域を拡大した。
 活用する人材はグローバル化し、一段と
 優秀さを増していった。
 永守自身はその環境激変に戸惑うことなく
 それどころか、グローバル人材も相変わらず
 強烈な個性と独特のユーモアで使いこなして
 いる。
 永守の真骨頂はこのあたりにあるのかもしれ
 ない。
  (巨大な矛盾の経営者)
およそ度外れなほどの積極精神や、がむしゃらさ
を持ちながら、状況に合わせて器を大きくし、
人を使いこなしていく。
辞めていく幹部もいるが、意に介さない。
売上高が100億行くかどうかの頃、
「1兆円企業になる」といい、3000億円の
ときには「10兆円」と言い出した。

自らそれを「大ボラ」と言いながら頭の中では
そこに至る戦略を用意している。
日々、1円単位の購入品の稟議に諾否をつけな
がら、はるか先のことを同時に考える。
その「巨大な矛盾」こそが永守なのだろう。
売上目標10兆円の次はおそらく
「100兆円」と言い出すに違いない。
日本電産という会社は永守の器と共に大きく
なっていく。
それが強みであり、弱点でもある構図はまだ
まだ変わらない。
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「零細町工場を1兆円企業にできた理由」
「変わることのない強い個性と行動力」
「小さなことも含めた緻密な判断力」
「大きなビジョンを描く能力」
「人を叱ってもついてくる人がいる人徳」
「多分、強靭な肉体と健康管理の徹底」
私はなんとなく、以上の要素を上げてみました。
ソフトバンクの孫正義。
日本電産の永守重信。
ユニクロの柳井正。
永守氏と柳井氏はソフトバンクの社外取締役でも
あります。
孫正義はアルバイト2人から。
柳井正は家業の衣料店から
    (実質的に創業者と捉えます)
そして永守重信は4人の仲間から。
今の日本の現役の創業経営者では(好き嫌いは
別として)この3人がビッグ3ではないでしょうか
こういう人達が、表舞台から去っても、変わらず
発展し続ける企業を作り上げるには。
そういう実例はなくはないとも私は思います。
それはまた、別な機会にまとめることにします。
 
 
福島さんは永守重信という経営者が
創業時4人から、現在の現実を作り上げていく
うえで、何が一番優れていると思われるでしょ
うか?

量的にも質的にも大きく成長することがいいこと
という価値観は自分は受け入れない、小さいまま
食っていければ充分だ・・・とかいうご意見・
価値観の方はとりあえずここではご遠慮ください。
 

ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。
 

最後まで読んでいただきありがとうございます。
 

福島さんの幸運な日々を祈念します。
 
 
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