【アモリ通信129:私の中小企業論】   20171004

福島清隆 さん


こんにちは。


キャッシュフローコーチ &
   参謀育成コンサルタントの福島清隆です。



本日のテーマは「 私の中小企業論 」です。

-----------------------------------------

  私の中小企業論

  挑む社長の応援歌!

  オーナー経営 実践28ヵ条


  オリックス  宮内義彦

  日経BP社  定価[本体1800円+税]



  大会社のトップが説く中小企業論には
  違和感がありましたが・・・・・・・

  彼も中小零細企業からのスタートでした。

-----------------------------------------

『オリックスは、社名をオリエントリース
(89年にオリックスヘ社名変更)として、
 1964年に資本金1億円、わずか13人で
 スタートしたベンチャー企業でした。

 そのような中で、私もベンチャー・中小企業
 の経営者と共に働き、後に後継者として日々、
 仕事に打ち込んできました』



冒頭に記した通り、最初にこの書籍のタイトル
を知った時、大企業で功成り名遂げた経営者が
「中小企業論」を説くのはどうかなと疑問があり
ました。

(ちなみに初めて知ったのですが
 「功なり名遂げる」が正解で
 「功なり名を遂げる」は間違いとのこと
 私は知りませんでした・・・汗;;;)

しかし、それは私の思い違いであり、宮内氏は
社員13名から今日の実績を築いた方です。

私が関心を示す対象の人物であるという認識に
変わりました。


アモリ通信でも度々、ご紹介する中小企業庁の
データを再度、記します。

(2016年度のデータ)

企業数  約280万社強
     内 大企業1.1万社  0.4%
     中小零細企業     99.6%

従業員数 約4800万人
     内 大企業1400万人  29%
     中小零細企業       71%

売上   約1206兆円
     内 大企業683兆円   57%
     中小零細企業       43%


大企業と中小零細企業を企業数と従業員数と
売上で比較すると、こういう実態なのかと愕然と
したのが、定年起業した2014年のことでした


私は中小零細企業から大企業へ育て上げた経営者
に大いなる関心があります。

そして、恐らく99%以上の中小零細企業の
経営者は、なぜ中小零細企業のまま終わってしま
うのかという現実にも関心があります。


あまりそれを声高に云うと、確実に嫌われそう
ですから、程々にしておきます (汗;;;)

これについては後述します。


ちなみに、
中小企業庁の中小企業基本法での中小企業の定義
は、製造業、建設業、運輸業なら、資本金が
3億円以下、従業員数が300人以下とのこと。

(中小企業家同友会の感覚で捉えると、3億や
300人は確実に大企業ではないかと私には思え
ます)

他に卸売業、サービス業、小売業によって定義が
異なります。



今回は、宮内義彦氏が示す
     「オーナー経営28ヵ条」
の一部のご紹介と部分によっては私の感じる
ところを記載してみたいと思います。


------------------------------------------

PART1 中小企業経営6つの真実

真実3 子供には継がせるな

「結論から言えば継がせないことが最善です」
「子供に継がせると企業は成長しない」

P27からP32まで、同氏の信念が書かれてあります

(私見です)

端から厳しい話になってしまいました。

同氏は、あくまでも一介のサラリーマンから
スタートして、今日の実績を築いた方なので言え
るのでしょう。


世界に冠たる大企業でもオーナー会社はあります
から(例えばトヨタ自動車)一概に断言はでき
ないと思います。

まして、中小零細企業の場合、ただでさえ後継者
不足の実態がありますから、たまたま
  「継いでくれる子供」
がいたら、子に継がせるは自然の流れかと思いま
す。

ただし、やはりそこではその子の資質が継ぐに
相応しいかどうか、優秀な経営者として育ちうる
かどうか、厳しく問われるべきかと思います。

まあしかし、自分の会社を「家業」と考えている
経営者にはこの考えは馬耳東風なのかもしれま
せん。(この部分は私見です)

----------------------------------------

真実6  他人の目を入れる

 「あくまでも主体は経営者にある」
 「複眼で見る努力をする」

私自身は知恵を借りたいという気持ちと、判断を
間違ってはいけないという思いがあり、会社の
規模が小さい頃から、多くのコンサルタントの話
に熱心に耳を傾けてきました。

ただあくまでも主体はこちらにあり、
「何か教えてくれ」と頼りにする受け身の姿勢は
避けた方がいいでしょう。

経営のプロはあくまでも経営者であり、
コンサルタントより専門家なのです。主客転倒は
避けましょう。



PART2 組織を固める着眼4ヵ条

着眼2  トップの出番を見極める

  「トップはつらい時に指揮を執る人」
  「自社の規模と現在の状況を冷静に推し測
   って、自分の出番を見極めていくといい」

どのような会社でも、社長一人で何もかも決める
事は無理な話です。

一方で、「状況」というものがあります。

特に、中小企業の場合は、攻める場合には社長が
「突撃」と号令をかけて、社員を引き連れて
攻めていくことが成功への理想形だと思います。

正念場でこそ、経営者は前面にでてこなくては
いけません。そのタイミングと行動が会社の
進路を決定づけることになるのです。

-----------------------------------------

(ここは私見です)

今は経営コンサルタント、経営顧問の立場で仕事を
していますが、決して調子に乗ってはいけないと
肝に銘じています。

「ビジネスは常にカネを払う方が強い」
あるオーナー経営者の言葉です。

状況にもよりますが、コンサルタントと経営者では
背負うものが、責任の重さが全く異なります。

信頼関係を築いてこそ、キツイことも言えるでしょ
うが、そこまで行ってない内には言動を慎む配慮が
欠かせないと思います。

基本的に「長く付き合える関係」が不可欠と考え
ます。

------------------------------------

PART3 体験的ベンチャー経営、
    失敗しない4つの鉄則

鉄則4 経営は組織より人

  「組織変えより働きやすさを考える」

70年に34歳で取締役となり、その後
80年に、社長に就任しました。

すでに経営理念は固まっており、「仕事を任せる」
「数字を見る」、「組織を変えない」、
「新しいことに挑戦する」などが柱だった。

「うまくいっていない会社ほど組織変えや人事発令
が多い」

「組織変えよりも、社員がモチベーションを持って
何か新しいものにトライする環境と風土づくり。

そちらがより重要だと感じます」


「中小企業だから」は言い訳

企業の経営については、つい大企業と中小企業で
比べがちですが、肝心なことは規模ではなく、
社内のエネルギーがどちらに向いているかにあると
思います。

競争力の差はここでつくものです。



PART4 事業承継に関わる3つの信条

信条2 経理と財務こそ命

  「お金は攻めと守りで使い分ける」

「これからの経営においては、中小企業でも成長の
ためにはCFO(最高財務責任者)の仕事が極めて
大切になります」

「売上や経費を見る経理だけでなはく、
投資収益性や資本増強といった財務の視点もなけれ
ば、これからの厳しい競争を勝ち抜くことは厳しく
なります」

日本の経営者は「現場」を優先させて、工場運営や
技術開発に力を注ぐ傾向にあります。

是非、
 「経理プラス財務に長けたCFOは必須」
という発想で会社を伸ばす手法に万全を期して
ほしいと思います。

------------------------------------

(私見です)

今年はキャシュフローコーチ養成講座
で学んでいます。

これは経営コンサルタント、経営顧問
として必須の能力であると確信してます。

顧問先の社長や幹部にこの能力を伝授する
ことで、確実に企業が発展していく基盤に
なると私は信じてます。

-----------------------------------

PART5 起業家とその志望者に向ける
    6原則

PART6 忘れがちな5つの付則


それぞれに原則が6つ、心持ちが5つありますが
割愛します。


------------------------------------------

私は、小さな企業を大きく育てたいろいろな
経営者から学んでます。


それぞれタイプが異なり、一概に云々はいえません

強いて言えば、またまた同じことの繰り返しになり
ますが、

 成功 = 考え方 × 熱意 × 能力 + 運

ではないかと今回もいつもの公式を思いつき
ました。


宮内義彦氏の同書は「私の経営論」に続く
第2弾です。

第1弾を読んでいないので、必ずクリアーして
おきます。



最近、ふと思うことがあります。


社員数が10名以下かそこいらで、何年も
経営している創業社長がたくさんおられます。


事業を継続できてることそれ自体が立派です。

しかし、彼ら彼女らに説いてみたい質問があります

「引退するときに社員数100名くらいの会社に
成長させませんか?」

そういう意欲をもって経営している零細企業の
経営者がどれくらいいるのでしょう。

こういう質問をすると

  「そんな甘いもんじゃない」
  「もともとそんな大きな会社にする気はない」
  「食べていければ十分だ」
  「とても無理だよ」
  「大きければいいってもんじゃない」etc...

そんな答えが返ってきそうです。



孫正義は3名から。永守重信は4名から。
稲盛和夫は10数名から。
松下幸之助もそれくらいだったか。

楽天の三木谷さんも一桁の社員数からだったはず。

そして宮内義彦氏はサラリーマンの立場からとは
いえ13人からのスタート。

  「比べる相手が違い過ぎるよ」

果たしてそうなんでしょうか。

要は気持ちの問題のように思うのですが。


ほとんどの中小企業のオーナー社長は自身の事業を
「家業」と考えているからかもしれません。

そういう感覚の事業家が大化けすることなどあり得
ないように私には思えるのですがどうでしょうか?

ただし、自分の事業は「家業」である。大企業は目指
さない。しかし、従業員を大切にし、社会貢献もする。

そういう理念がしっかりしてれば「家業」であること
は何ら問題ないと思います。

逆に、大企業の定義に収まる規模の企業でなおかつ
一部上場クラスの企業で、自社の事業を「家業」と
考える創業家の人物が要職に就くことは回避すべきと
私は考えます。

そういう実例はあります。


定年起業の個人事業主の私は事業家として大きな
組織を作り上げる目標など持っておりませんので、
あまりエラそうなことは言えません (汗;;)


ただ、個人としてより大きな世界、より多くの人々
に関わり貢献できる世界は、若き青年爺として夢見
ています (^^♪




福島さんは中小企業が中小企業のまま
終わるほとんど多くの場合と、中堅・大企業
にまで成長する場合とでは、何が異なると
思われますか。


私は、経営者の「家業意識」ではないかと思うの
ですがどうでしょうか。


たとえそうであっても、
「会社は小さい。
 しかし、世界を相手に仕事をしている。
 規模より内容だ」
そうであって欲しいと私は思うのですが如何で
しょうか。



ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。




最後まで読んでいただきありがとうございます。



福島さんの幸運な日々を祈念します。



******************************************

Amazon・Kindle 【アモリ通信】
最新配信版:第12弾
田中角栄:全10話(110~119)
 https://www.amazon.co.jp/dp/B074DQ2RL4
2016年度配信版:全51話:(39~89)
 http://www.amazon.co.jp/dp/B01N34FSYO
2015年度配信版:全38話:(1~38)
 http://www.amazon.co.jp/dp/B01JYVOREU

******************************************
『Strong(強く)Integrity(真摯に)
Love(愛を持って)』

  キャッシュフローコーチ &
    参謀育成コンサルタント
******************************************

SILマネジメントサポート 代表 福島清隆
・オフィシャルサイト:http://www.sil-ms.jp
・お問合せE-mail: info@sil-ms.jp

------------------------------------------
Copyright(C)2015 SILマネジメントサポート
All Rights Reserved.
 
 
 

お問い合わせ・ご相談

ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

SILマネジメント株式会社

お問い合わせ・ご相談はこちら