【アモリ通信122:永続するいい会社】   20170816

福島清隆 さん


こんにちは。


キャッシュフローコーチ &
   参謀育成コンサルタントの福島清隆です。


本日のテーマは「永続するいい会社 」です。

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  伊那食品工業株式会社

  塚越 寛

  永続するいい会社のつくり方

 ~社員が幸せな人生を送れるために~

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日経トップリーダー「NIKKEI Top LEADER」
という月刊誌があります。

この中に上記の「塚越寛」という経営者の
連載があります。

私はこの方を全く知りませんでした。
雑誌が届いても、特にそのコーナーを読むことも
ありませんでした。

しかし、少し気が変わりじっくり読んでみる気に
なりました。

アモリ通信の110話や111話でテーマにした
小山昇氏や永守重信氏のような、モーレツな?
経営者とはまた全く違うタイプで実績を上げている
経営者ではないのかと思ったのがひとつのきっかけ
です。


まずは、伊那食品工業と塚越寛氏の情報について
コピーします。

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伊那食品工業株式会社

株式を一切上場しておらず、大手上場企業の傘下
には属していない独立系の企業である。

寒天の加工にメスを入れ、食品はもとより化粧品、
医薬品等用途を拡げた。

一般市場では「かんてんぱぱ」ブランドの商品を
提供している。

業務市場ではイナアガー(アガーは英語で寒天)
ブランドの商品を提供。

国内市場のシェアは約80%、世界では15%である。

2008年(平成20年)には創業以来48年間増収増益を
達成し、プレジデント誌にて取り上げられる。


設立年月日:1958年6月18日

資本金:9,680万円

年商:191億800万円(2016年12月期)

本社:長野県伊那市西春近(広域農道沿い)

工場:沢渡工場、北丘工場、藤沢工場、
   化工機部工場、猪ノ沢工場

支店:東京、名古屋、大阪

営業所:札幌、仙台、長野、岡山、福岡

社員数:449(男237、女212)名(2017年1月現在)

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塚越寛

1937年長野県駒ケ根市生まれ。肺結核により高校を
中退。

快癒後、地元の木材会社に就職するが、58年経営
不振にあえぐ子会社の伊那食品工業の社長代行に
任ぜられる。

以後、原料の海草の価格に大きく左右される相場
商品だった寒天の安定供給体制を確立し、寒天の
成分を活用したさまざまな新商品開発に取り組んで
新たな市場を開拓、48年間連続増収増益という
金字塔を打ち立てる。

2005年より現職。黄綬褒章、旭日小綬章、
日刊工業新聞社最優秀経営者賞など受賞(章)多数。

著書に、『いい会社をつくりましょう』(文屋)、
『リストラなしの「年輪経営」』(光文社)、
『幸せになる生き方、働き方』(PHP研究所)などが
ある。

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塚越寛氏が考える「永続するいい会社のつくり方」
について、いくつかのポイントを順不同で列記し
ます。


① カイゼンより快適で生産性向上

  この会社の目的は、みんなが幸せになること。
  経費節減はNG言葉。
  社員に「快適になる提案をしなさいよ」と言い
  ます。
  
  職場を快適にすれば社員のやる気が出て、
  結果的に生産性が上がる。相対的にコストも
  下がる。

  この話をすると、視察に来たトヨタ関連の会社
  の人たちは、みんなメモします。

  快適にすべき場所を見つけるポイントは、
  「形容詞をイメージすること」

  「重い」「暗い」「寒い」「つらい」「汚い」

  こういう場所をみんなで快適に変えていきま
  しょう。

  「華美にはしないが、貧相にもしない」という
  方針を伝えて取り組んでもらっている。

  
  会議室にキッチンを作りたいと提案があった。

  会議室に生ごみが出ると反対意見が多かった。

  有志が「私たちがメンテナンスする」と言い
  出したので最終的に許可した。

  社内イベントが開けるようになった。

  社員が手料理を作ったり、コックさんや板前
  さんを外から呼んでワイワイやってる。

  チームワークも高まる。


② 半分の人生で幸せか

  人生たった一度だけなのに、家庭だけが幸せな
  人生を送れる場所で、職場はつらくてもいい
  という発想の会社が結構ある。

  それではその社員の人生が半分駄目になって
  しまう。

  家庭でも職場でも、社員が幸せな人生を送れる
  ように、まずは「職場を快適にしよう」と。

  そうした思いで環境整備を始めた。

  取引先の食品メーカーが、安全性の監査に
  よく来ます。
  
  「今までの取引先で、こんなきれいな工場は
  見たことないから、もう十分です」と言って
  後は書類だけ見て帰るということがあった。


③ 経営も自然の摂理に従えばうまくいく

  そもそも企業経営は人間の営みです。
  人間も自然の中にいる生き物ですから、自然
  の摂理には逆らえません。

  その前提に立つと、経営も自然の摂理に従う
  のが筋です。

  自然の摂理にも様々あります。

  一つは変化への対応。
  次に、社会生活を営む人間が自然な感情とし
  て持つはずの思いやりの心。
  
  他者との調和を図ること。

  周囲の人の事情を考えず、我欲を押し通せば
  因果応報という言葉通り、最後は自分の首
  を締めます。


  例えば,社員に過度な負荷を強いたり、
  ライバルから半ば力ずくで顧客を奪い取った
  りする。

  こうした行動を取ると、本来はどこか心が
  痛むのが人間として自然です。

  経営者がそういう心の奥底にある声を聞かず
  損得勘定だけで進むとどうなるか。

  一時は儲かるかもしれませんが、相手も同じ
  人間ですから、積み重なると仕返しをされた
  り、事業に協力してもらえなくなったりして
  経営が苦しくなるのです。


  そうはいえ、環境の変化に対応するには
  スピードが必要です。

  一方、他者を思いやり、調和を保って行動
  しようとすると時間がかかる。

  二律背反の面があり、そこを打開するのが
  経営者の腕の見せどころです。

  
  相手の立場に思いを馳せた行動は、自然の
  摂理に従うものであり、企業の永続にも
  つながります。


④ 年功序列の賃金は前提条件付きで

  伊那食品の賃金体系は役職の有無や人事
  評価で多少の上下はあるものの、基本的
  には年功序列です。

  原則として終身雇用でもありますから、
  まさに「日本的経営」と言えるかもしれ
  ません。

  昔ながらの賃金体系を今も保っているのは
  社員が幸せな人生を送り、社会に貢献する
  という当社の経営の目的にかなっている
  からです。

  (賃金改定失敗の主因)

  賃金体系を有効に機能させるには、
  自社にとっての経営の目的を全員が共有
  しているという前提条件があります。

     (中略)

  会社のあるべき姿が一致していて初めて
  若手は先輩を敬って仕事をし、ベテラン
  は自らの知見を活かして若手を育てる
  好環境が生まれる。

  その時、年功序列型の賃金体系がプラスに
  働くのです。

  賃金体系を決める前に、まずトップが
  自社をどのような姿にしたいのか。
  理想型に近づけるために社員にどう成長
  してもらいたいのか。

  その姿勢を明確にする方が先です。

  経営理念や経営者の人材観、社員に対する
  教育方針と賃金体系が、どれも整合性を
  持ってつながっている。

  これがなければ、社員からの信用は得られ
  ません。

  (報酬が多くても駄目)

  小手先で賃金体系をいじる前に、経営者の
  あなた自身が社員をどれほど気にかけて
  いるかを見直してください。

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巷には哲学を問い、効率を追求する書籍等が溢れて
います。

経営のあり方も百人百様でしょうから、自分の感性
価値観、判断力にあった人に学べばそれはそれで
いいと思います。

 そのような中、塚越寛のように、
  「社員が幸せな人生を送れるために」
  「何事も自然の摂理に従う」

そのような信念をもって会社を経営し、結果として
48年間も増収増益という実績を残されてるのは
まさに敬服あるのみです。

 
つい先日、自分の考えや価値観を押し付け、他人を
平然とこき下ろすコメントをくださる、とある
アモリ通信の読者に憤然たる思いをさせられる
ことがありました。

 
今更ながら、稲盛和夫氏の

 成功 =  考え方 × 熱意  × 能力

という公式を思い出し、「考え方」の部分の重要性
を再認識しました。


経営者であれなんであれ、基本的に
   「上から目線の思考パターン」
が浸み込んでいる人は駄目だなと感じます。

また、そういう人物は面白いほどに自分がそういう
タイプであるという自覚がないように思われます。

自分もそうなんだろうか??? (苦笑&汗汗汗)

私は公私に渡って、この要素を特に警戒し、
そういうタイプの人物とは距離を置くように心がけ
ています。


塚越寛氏のような人物は、ハートの部分が凡人とは
根本的にレベルが違うのであろうというのが個人的
な感想です。




福島さんは「塚越寛」という経営者をご存じ
でしたでしょうか。


このようなタイプの経営者をどう思われるで
しょうか




ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。




最後まで読んでいただきありがとうございます。



福島さんの幸運な日々を祈念します。



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SILマネジメントサポート 代表  福島清隆
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