【アモリ通信451】 聞く力:なぐさめの言葉

◎◎さん(^^♪

こんにちは。

SILアカデミー 1on1 オンライン顧問
ジョガーFの福島清隆です。【専門は物流です】

本日のテーマは「聞く力:なぐさめの言葉」です。


聞く力  心をひらく35のヒント
  
  阿川佐和子  P168~P173
 定価:800円+税
  文藝春秋

シリーズ累計190万部突破!
「『聞く力』は大事です。ね、総理?

驚異のベストセラー

誰もが認める才媛、阿川佐和子女史ではないでし
ょうか。今回は全35もある「ヒント」から
  24:なぐさめの言葉は二秒後に
をご紹介します。


対談の連載を始めたばかりの頃、文春の上層部の
方に、「アガワさんは対談の中で『そんなあ』と
伝えることがずいぶん多いね」と指摘されたこと
があります。
その指摘の裏にどういう意味がこめられていたの
か、そのときはよくわからなかったのですが、お
そらく、「同じ相づちを繰り返し打つと、読んで
いて、やや目障りだ」という意味と、もう一つ、
「そういう曖昧な受け答えには相手に対する誠意
が感じられない」ということだったのではないか
と理解しています。

たとえばお相手が
「僕はもうすっかり売れなくなってしまったから
、そろそろ引退しようかと思っているんですよ」
 とおっしゃった。その言葉に対して、どう反応
すればいいのかと戸惑った末、私はよく、
「そんなあ」を使っていたのだと思います。相手
が謙遜して発言したとき、きっぱりと、「そんあ
ことはありません!売れてないなんてことは断
じてありません!」そう言い切るほどの自信は
ない。責任も取れない。でも、
「本当に売れなくなりましたねぇ。確かに引退す
るタイミングですねえ」
なんて、ご本人を前にして、よほど親しい間柄
なら冗談半分に言えるかもしれないけれど、
そうでない場合は、とてもそんなきつい言葉を
発することはできない。お世辞を言いすぎる
のもはばかられるし、さりとて相手を傷つけて
は可哀想。なんとかなぐさめる手立てはない
ものかと思った末に「そんなあ・・・・という、
いかにも中途半端な言葉がつい、出てしまったの
です。

「そんなあ」発言を注意されて以来、そのような
場面において、どう対処するかは私のインタビュ
ー仕事における課題の一つになっております。
 きっとご本人は、謙遜しつつも優しい言葉を
待っているのです。その気持ちが落ち込んでいる
からなおさら、自分の漏らした気弱な発言に、
相手がどんな反応を示してくれるか、耳をそばだ
て待ち構えているはずです。そういう人に対して、
どんな言葉を投げかけることが、最も適切なの
でしょう。

 商売柄、プロのヘアメイクさんに髪をセットし
てもらったり、お化粧をしてもらったりすること
が多々あります。ババールとみんなが呼んでる仲
良しの大御所メイクさんにお化粧をしてもらった
ときのこと。彼はいつも、若い助手を連れてやっ
てきます。鏡の前に私を座らせて、助手嬢に小声
で指示をしつつ、それはテキパキと仕事をなさい
ます。

あるとき、私が鏡に映るババールの若手助手嬢
に向かって「まぁ、あなたの肌って、ピッチピッ
チなのね。うらやましいなあ」

本当に驚くほど、張りのあるピンク色のピチピチ
肌だったので、驚いてつい、そう言ったのです。
助手嬢が、いえいえと照れくさそうに顔を横に振
りました。続いて私は鏡に映った自分の視線を
戻してみると、なんと情けなや。

「あーあ。それに比べて私の顔のひどいこと。こ
のシワシワの肌。ほっぺたもすっかり垂れてきち
ゃった。もうおばちゃんの顔だなあ」
助手嬢が、ポカンとした顔のまま、黙っています
 するとそこですかさず師匠のババールが、

「あんた、黙ってるんじゃないのよ。そういうと
きは『そんあことありません!』って、すぐ言わ
なきゃ!」と助手を𠮟りつけたのです。助手嬢は
慌てて「すみません」と謝ってから私に向かい
「そんあことありません」。するとババールが、

「今頃言っても遅いのよ。即座に言わなきゃ意味
ないの!」 私は笑ってしまいました。そこで試
しに、「ねぇ、ババールさん。私の髪の毛、すっ
かり細くなって、なんだか禿げてきたみたい」
するとババールは、私が最後まで言い終わるより
早く、「そんあことはありません!」
その間髪を入れぬ反応に私は驚きました。しかし
、その間髪も入る余地のないほどの素早すぎる
反応を聞くと、いかにも強引に口封じをしている
ようで、やや信憑性に欠けます。本当は禿げて
いるのに、もしかしたら隠しているのかもしれな
い・・・・。猜疑心が湧きます。

「私、すごく太ったでしょう」
「いえ、太ってません!」 
どうでしょう。なんとなく、傷つきませんか?。
本当は心の中で「太ったな」と思ったけれど、そ
う思った気配を察知されたくないので即座に否定
したかのように見えます。かと言って、
「私、すごく太ったでしょう」
と言ったあと、ずいぶん間があってから、
「いいえ、ちっとも・・・・・」
 反応が遅い分、さてはなんて答えたものか言葉
を失った、あるいはもっと良からぬことを考えた
のではないか。疑いたくなって、それはそれでや
っぱり傷つく。ならば、どれくらいの間で否定し
てもらうといちばんなぐさめられた気持ちになる
かというのを、ババール、助手嬢、私で研究して
みることにしました。

実際の結果、大体二秒ぐらいが妥当ではないか
という意見で一致しました。三秒では長すぎる。
でも一秒だと、わざとらしい。やっぱり二秒くら
いがいいのではないでしょうかね。

 と、それは半分、冗談としても、大切なのは、
返す言葉の種類ではなさそうだということがわか
ってきたのです。たとえばそのときの言い方や表
情、動作。言うときのスピードやトーン。それら
を総合して、相手に「ああ、本心で自分をなぐさ
めてくれているんだな」とわかれば、それでいい
のではないか。

 相手が謙遜のつもりで卑下した言い方をしたと
き、あるいは自分を否定するような発言をしたと
きそれに対して、どの言葉を使うのがもっとも適
切であるか。そこにはたぶん、決まりはない。言
葉ではなく、その言葉に込められた気持ちが伝わ
りさえすれば、相手の心を安心させられるのでは
ないかと思うのです。


(私見)
半分冗談としても、
「一秒は早く、三秒では長く、二秒が妥当」
これは案外、臨機応変に「なぐさめ的な回答」を
示す際の名言というか、重要メソッドかもしれま
せん(^^♪

阿川佐和子は今、ちょっと度忘れしましたが、
有名な作家のお嬢様です。
「蛙の子は蛙」。昔からそういう先入観で彼女
を見ていましたが、血筋というか、親から引き継
がれた才能というか、天が与えた才能なのか、
やっぱ凡人とは違うセンスの持ち主には違いない
と思います。

全35のヒントを速読的に読むのではなく、精読
すべきだなと、お猿さんのハンセイをしている
青年キヨタカ君です。
この本は精読すべき名著です。

◎◎さんは、半分冗談としても、
「一秒は早く、三秒では長く、二秒が妥当」
という考え方をどう思われますか。

ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

◎◎さんの幸運な日々を祈念します。

 

 
 
 

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