【アモリ通信434】 切なき睡眠薬依存

◎◎さん(^^♪

こんにちは。

SILアカデミー 1on1 オンライン顧問
ジョガーFの福島清隆です。【専門は物流です】

本日のテーマは
  「切なき睡眠薬依存」です。


大往生考 連載43 内科医 佐野 海那斗
 切なき睡眠薬依存  
 
 三万人のための情報誌 
2023 VOL.49 NO.7
  選択7 P42~~P43

 
 度々ご紹介させていただいている「選択」という
書店販売はしていない情報誌。
 政治経済できわどい話題が少なくないのですが
そっちの方の深入りは程々にして、今回は医薬の
関連でいきます(^^♪


切なき睡眠薬依存

 歌舞伎俳優の市川猿之助が両親と共に睡眠薬
を大量に服用し、”一家心中”を図った。睡眠薬は
医師が処方しなければ入手できない。なぜ医師が
大量の睡眠薬を処方したか、理由は明白で、それ
ほどまでに睡眠薬を切望する患者が少なくないか
らだ。一方、睡眠薬は容易に依存を招き、時に
自殺に利用される。その処方は医師にとって悩み
の種だ

 70代後半の女性の主治医になった時のことだ。
彼女はC型肝炎ウイルスによる慢性肝炎、肝硬変
を患っていた。当初、肝臓内科の専門医の外来に
通っていたが、その医師とは反りが合わず、私の
外来に移ってきた。
 
 医師は、前医と揉めた患者を警戒する。独自の
主張を貫き、対処に困ることが多いからだ。彼女
の場合、それは杞憂だった。シルバーカーを押し
ながら診察室に入ってきた彼女は、陽気で人懐っ
こく、私の話を素直に聞いてくれた。

 彼女の肝硬変は進行しており、腹水も存在した
 積極的に治療しても、もはや治癒は期待できず
前医からの降圧剤、利尿剤、睡眠薬、膝の湿布薬
を続けながら、症状の緩和に努めるしかなかった

 異変が生じたのは、それから数か月後だった。
彼女を診察するため、電子カルテを開けると、
同僚の医師からの「伝言」が飛び込んできた。
そこには「睡眠薬がなくなり受診。次の外来まで
10日だけ処方」とあった。

  私は、前医に倣い、プロチゾラムという睡眠
薬を処方していた。1日1回、就寝前に服用する。
4週ごとの外来で、30日分を処方していたから
足りなくなったということは、1錠で眠れない
とき、追加服用していたからだ。前医の時は、
折に触れて多めに処方して貰っていたため、足り
なくなることはなかった。だが、主治医が変わり
通常の処方をしたせいで、薬が切れたという訳だ

 診察室に入ってきた彼女はやつれていた。
「十分に眠れていない」と言う。前週、追加処分
してもらった10錠も既に飲んでしまい、「この数
日は服用していない」らしい。患者は長期間にわ
たり睡眠薬を服用し、もはや睡眠薬なしでは眠れ
なくなっている。典型的な睡眠薬への依存状態だ

       (中略)

 長期にわたり連用すると薬が効かなくなること
が多い。こうなると、より強い睡眠薬に変えるし
かないが、やがてその睡眠薬も効かなくなる。
結局服用量を増やすしかない。このため患者は、
手持ちの睡眠薬を飲み切れば、次の外来まで我慢
しなければならなくなる。急に睡眠薬を中止する
ことになるから、不眠が悪化し、不安や抑鬱が昂
じる人もいる。「禁断症状」と言っていい。この
患者は、まさにその状況にあった。

 患者は睡眠薬がなくなる度に、私の外来日以外
でも受信し、睡眠薬の処方を希望した。しかし
たいていの医師は、その希望を聞いてくれない。
睡眠薬依存の患者に追加投与し、万が一にも問題
を起こしたくないないからだ。こうした事情で、
彼女も「問題患者」というレッテルが貼られた。

 結局、彼女の相手をする医師は、私だけとなっ
た。患者は、私の外来日を待ちわび、その度に
「眠れないと、変なことを考えてしまうし、翌日
は一日中だるい」と苦境を訴えた。解決法は、
睡眠薬を多めに処方するしかない。

 ところが、これが難しい。プロチゾラムは1日
1錠投与として薬事承認されており、厚生労働省
は「濫用等の恐れのある薬物」として、睡眠薬
の処方期間を30日以内に制限しているからだ。
患者の希望に応えるには、1回の服用量を2錠
として処方薬を切るしかないが、これは厚労省が
定めたルールを破ることになる。

 問題は、これだけではない。肝硬変を増量する
ことは危険でもある。ベンゾジアゼピンは肝臓で
代謝され、体外に排泄される。プロチゾラムの
場合健常人での半減期は約7時間だが、肝機能が
低下している患者では遷延する。この結果、起床
後もブロチゾラムが残り、彼女も「昼までぼーっ
とすることが多くなる」と告白した。

 私は、外来受診のたびに、「睡眠薬は減らした
方がいい」と説得したが、患者は受け入れず、最
終的に、患者が求める量の睡眠薬を処方すること
が続いた。その度に、患者は「先生しか頼る人が
いない」と泣かんばかりとなり、診察中の私に、
院内で買ったペットボトルのお茶を差し入れして
くれた。

 私の対応は、医療のルールを逸脱してる。睡眠
薬の問題点を患者に説明し、服用する量を減らす
ように指導することが、医師のあるべき姿だ。私
は、そのような模範的な対応ができなかった。
進行した肝硬変を患う彼女に残された時間は少な
い。睡眠薬の依存を是正するため、不眠に悩み、
時に不安不穏になる患者に、減薬する合理的な
理由が見出せなかったからだ。

 患者が亡くなったのは、それから数か月後だっ
た。自宅で転倒し、大腿骨を骨折した。整形外科
に緊急入院となったが、その後に肺炎を併発し、
帰らぬ人となった。

 患者が亡くなる時、私は病室を見舞った。そこ
にいたのは、50代の息子だった。一見すると、知
的障害を抱えていることがわかる。彼は「睡眠薬
を減らすように、いくら言っても聞いてくれませ
んでした」と私に告げた。息子が、どこまで認識
していたかはわからないが、患者の転倒は、睡眠
薬による意識レベルの低下が影響した可能性は
否定できない。

 私は強い自責の念にかられた。ただ、知的障害
の子どもを抱え、肝硬変を患った患者の苦悩は察
して余りある。彼女が睡眠薬に頼ったのも、仕方
がないことだった。

 睡眠薬依存の背景は、人それぞれで複雑だ。
私はどうすべきかだったのか、今も自問して
いる。


私は、そのような模範的な対応ができなかった。

睡眠薬の依存を是正するため、不眠に悩み、時に
不安不穏になる患者に、減薬する合理的な理由
が見出せなかったからだ。

睡眠薬依存の背景は、人それぞれで複雑だ。
私はどうすべきかだったのか、今も自問している


「福島さんの言う通りにします・・・・・・」
長年通ってる、某大病院の主治医の言葉です。
私の場合、まだまだそれほど深刻な状態ではない
ので、ある意味楽観論でそういう言葉が出てくる
のでしょうが、医者の立場は確かに難しいもので
しょう。
 ちなみに私は前立腺肥大症関連で、標準手術を
一昨年済ませ、お陰様で「頻尿」から解放されま
した。夜間に少なくとも1回は起きるので「夜間
頻尿」は解消されてませんが・・・。
トシヨリにはそれくらいは普通のようです(苦笑
PSAが未だに高めなのですが、長年付き合って
信頼している主治医が問題にしていないので、
まぁ~様子見でいいのでしょう。
前立腺関連では長年服用していた薬は今では全く
服用していません。
 
 具体的には書きませんが、
    「医者」といってもイロイロです。
これは全ての専門分野にも当てはまります。

一番大切なものは何なのでしょうね。
専門性の能力+人格でしょうか。

「薬は飲むべき時には飲む。しかし、基本的に
 長期服用は好ましくない」
これが(素人の)個人的な考え方です。

なこと言いながら、尿酸値を下げる薬を飲まな
かったら尿酸値が上がるもんなぁ~~
最近、薬を変えたもんなぁ~

白内障予防、緑内障予防の目薬を長期服用
してるもんなぁ~

「薬には必ず副作用がある」
これは専門家でも理解してるはずなのですが・・

「薬の副作用なんて、症状を抑えるのに比べたら
微々たるものです」
その一言である医者への信頼性に疑問を持って
しまった自分。

どういう対応が、なにが一体正しいのでしょうね。 

◎◎さんは、医者から処方された薬を素直に、
長期的にも服用し続けるタイプですか。
「薬には副作用がある」という考え方を日頃
から意識しているタイプですか。

ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

◎◎さんの幸運な日々を祈念します。

 
 
 

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