【アモリ通信407】 諦める力

◎◎さん(^^♪

こんにちは。

SILアカデミー 1on1 オンライン顧問
ジョガーFの福島清隆です。【専門は物流です】

本日のテーマは「諦める力」です。


「諦める」という言葉について、みなさんは
どのような印象を持っているだろうか。
「スポーツ選手になるのを諦めた」
「一流大学に行くのを諦めた」
「夢を諦めた」

為末 大. 諦める力~勝てないのは努力が足り
ないからじゃない
      プレジデント社. Kindle 版.


諦めるということは そこで「終わる」とか
「 逃げるということではない。
そのことを心に留めながら、本書を読んでいただ
ければと思う。

第1章 諦めたくないから諦めた    
第2章 やめることについて考えてみよう
第3章 現役を引退した僕が見たオリンピック
第4章 他人が決めたランキングに惑わされ
    ない
第5章 人は万能ではなく、世の中は平等では
    ない
第6章 自分にとっての幸福とは何か

第1章 諦めたくないから諦めた 
憧れの人は自分の延長線上にいるか?

憧れの存在を持つなとは言わない。ただ、
自分の憧れる存在が本当に自分の延長線上にいる
かどうかということを、しっかりと見極めるのは
非常に大事なことになってくる。自分とはまった
く接点のない人に憧れて、自分の短所を埋めてい
るつもりが長所ごと削り取っている人

     (中略)

多くの場合、天才の真似をしてもだいたい失敗す
る。自分の体と性格に生まれついてしまった 以
上、なれるものとなれないものがあるのは間違い
ないことだ。僕の場合、170センチという 身長
ではおそらく水泳は無理だ。たぶん野球も難しい
だろう。400メートルハードルは自分に合ってい
たが、最初はいけると思った100メートルでも、
結局のところ向いていなかった。今考えると、
いっそ陸上をきっぱりとやめて、体操に移ってい
たらどうなっただろう、とも思う。身体能力や
競技の特性を考えると、体操は案外僕に向いてい
ると思うのだ。そうはいっても、体操選手で10歳
以降から競技を始めて五輪に行った選手はほとん
どいない。ああいった空中感覚はある年齢までに
つかまないと、その後に身につけることは 難し
い。

第2章 やめることについて考えてみよう
「あなたには向いていない」と言ってくれる人

「私は諦めずにやり続けました。だからここに
立てたのです」実際は、勝者の背後には数えきれ
ないほどの敗者がいる。多くの人は、がんばった
のに成功しない敗者側に回らざるをえない。
「やめなかったからこそできた」こう主張する
少数派の言葉に嘘はないが、現実の社会において
は、はるかに敗者のほうが多いという事実はわか
っておくべき だ。

     (中略)

アメリカのある大学の経済学部では、入学して
1年経過した段階で、多いときには半数に上る
学生を進級させないという。たった1年で落とす
のは酷すぎないかという意見もあるだろう。
僕も最初はそう思った。ただ、学生たちの意見
は おおむね好意的だそうだ。若いうちに
「あなたは経済学に向いていない」 と言って
もらえることで、医学部に転換したり法学部に
転換したりするなど、自分の進む道を早めに
修正できるからだ。30歳ぐらいになって向いて
いないと宣告されたら、選択肢はずっと少なく
なってしまう。これと同じ考え方に立てば、
成功する確率の低い若者に「 きみは、この先
に進んでも成功するのは無理だよ」と言って
あげる大人が必要なのではないだろうか。

    (中略)

その人の夢を叩きつぶすだけでなく、人の人生を
左右するかもしれない重みをもつ言葉なので、言
うには勇気がいる。日本の場合は特に、指導者に
は「全人格的な教育者であるべき」という役割が
期待されているので、そのなかで「きみはだめ」
と言ってその若者の人生を壊してしまうリスクを
避ける傾向がある。
 それでも僕は、ダメなものは駄目だと言ってく
れる人間は必要だと思っている。
 経験のない若い人が自分だけで判断しようとし
ても、願望が入ってきてしまうために冷静な判断
ができないと思うからだ。難しいのは承知の上で
そういう存在を自分で見つけることの大切さを
理解してもらいたいと思う。

第3章 現役を引退した僕が見たオリンピック
「夢がかなう」ひとはごくひとにぎり

「あのつらかった時期を耐え抜いてきたからこそ
、ここまでこられたのです」
 世間の人がそれを聞いたとき、つらい時期を耐
え抜いたら成功できると一般化してしまう怖さが
ある。ほとんどの人にとっては、つらい時期を耐
え抜いても成功しないことが多いのだ。現実には
10人のうち9人が成功せず、たったひとりだけう
まくいった人が、自分のロジックで語っているに
過ぎない。
       (中略)

 「諦めなければ夢はかなう」
 「夢を諦めない強いハートがあったから成功で
  きた」
 オリンピックのメダリストを目指して、何万人
ものアスリートが努力している。みんな諦めなか
ったけれども、それでも結果が出ないのが現実だ
 ものすごく限定された確率で選ばれたアスリー
トだけが成功し、そのアスリートが「諦めなかっ
たからここにいる」という話である。

       (中略)

 「成功しなかったかもしれないが、夢を追いか
けた日々が尊いんだよ」
 本人が割り切ったうえでそう思うのは一向に構
わないが、コーチがそう言ってしまうのはちょっ
と違うと思わざるをえない。コーチの仕事は、
 アスリートに「夢を追わせる」ことではなく、
アスリートに「勝たせる」ことだからだ。

       (中略)

 ただ、諦めなかった人のうち金メダルを取った
人はいるけれども、諦めなくても金メダルを取れ
なかった人はその数千倍いるという数字を冷静に
見なければいけない。その事実を納得したうえで
「自分はどのくらいの確率で勝てる勝負をしてい
るのか」ということを冷静に見なければならない
 なぜなら、その事実を理解したうえでの努力と
、ただがむしゃらに突き進む努力とでは、内容も
結果も変わってくるからだ。

第4章 他人が決めたランキングに惑わされ
    ない
どの範囲の一番になるかは自分で決める

 日本で1億3000万人、世界で70数億の人口が
いる時代である。カテゴリーが大きくなればな
るほど、一番になれる確率は低くなる。だから
こそ、小さくてもいいから自分が勝てるフィール
ドを探していない限り、いつまでたっても勝てな
い状態が続く。

      (中略)

「一番と言ってもいるけど、上には上がある。
 世界ランクではまだトップテンにも入っていな
 いじゃないか」
「井の中の蛙になるな。こんなのは、より上を目
指す過程に過ぎないぞ」
 こう言われると、自分の価値観が否定されたと
感じるかもしれない。

「いや、俺はそこまで求めていないんだ」

そう言えばいいのだ。それを「自己満足」「逃げ
」ととらえるひともいるだろう。
 しかし、どんな分野においても厳密な「一番
」なんて誰にもわからない。オリンピックに出場
することはなくても、金メダリストを上回る身体
能力を備えた人間だって地球上にいるはずだ。な
にしろ地球上の半分以上の人はスポーツをやった
ことすらない。どんなランキングも、人為的なも
のである。
 それを念等に置いたうえで、自分はどこまで勝
ちたいのか、そのうえで何を成し遂げたいのかを
考えておくべきだ」。そうすれば「上には上が」
などと言われても、涼しい顔で「自分はこれで
満足だ」と言えるはずである。

第5章 人は万能ではなく、世の中は平等では
    ない
「あなたのためを思って」には要注意

「きみは絶対に変れる」という熱意は大事だけれ
、相手の何を変えようとしているのかでだい違う
 やっかいなのは自分が思う「正しい」方向に相
手を変えようとする人だ。
 その場合、「あなたは今よくない状態にある」
という見方が前提となっている。それが「よくな
い」というのはあくまでも主観である。
 あなたが今やっていることを諦めろと言ってく
る人は、「自分と同じになってほしいから」そう
言ってるのか。客観的に見て、勝算はないからあ
きらめろとドライに言ってるのか。それを見極め
た方がいい。
 僕が好きだった先生は、「忘れ物は3回までは
許します」と最初に宣言して、4回目からは有無
を言わさず罰した。僕は前の日にその授業の準備
だけはしてから寝るようになった。「絶対に許さ
れない一線」を設定すれば、子どもだって守る。
こういうドライな基準こそが、成熟した社会にお
ける優しさではないかと思うのだ。

          (中略) 
人はもともと不平等に生まれていて、よい行いを
しても早く死ぬかもしれないし、悪事を重ねても
長生きをするかもしれない。自分が成功しても
その成功が長続きするわけではなく、自分が失敗
しても失敗したまま終わるわけでもないのだ。

第6章 自分にとっての幸福とは何か

「やめてもいい」と「やめてはいけない」の間

       (中略)

「それをやったら何の得になるんですか」

 最近の若い人はよくこんな問いかけをしてくる
「やめてはいめない」こと「やらなければなら
ないこと」でがんじがらめにされている気がする
「それをやったら」こんないいことがある」と言
うのではなく、「そんなことしても得にはならな
いよ」という「優しさ」もあると思う。「得にな
らなくても楽しいからやりたいな」という感覚を
たくさん味わうことが、自分の軸をつくってい
くことにつながる。
 「やめてもいいんだよ」「やっても得にはなら
ないよ」と言われても、意に介さずやる人に共通
しているのは、他人に評価してもらわなくても幸
福感が得られているということだろう。

「こんな小さな成功で満足している自分は、くだ
らない人間なんじゃないか」
 そんなふうに思うことなく突き進める人たちだ

       (中略)

 もちろん、より高みを目指すのは価値あること
だ。だが「自分はここまででいい」という線引き
がしにくい時代になっていることは確かだと思う
 「やめてもいい」という発想は「自分がいいと
思うところまででいい」ということでもある。幸
せや成功の度合いにランキングなどないのだ。


(私見)

「やめてもいい」という発想は「自分がいいと
思うところまででいい」ということでもある。幸
せや成功の度合いにランキングなどないのだ。

最後は結局、この言葉かなと思います。

「諦めなければ夢はかなう」
いい言葉ですね。少なくとも、小学生や中学生、
もしかして高校生・・・くらいはこれで通さない
と(^^♪・・・かな?

 本書は全てを紹介したいくらに個人的に気に入
ってしまいました。ついつい長くなりました。
 
 経営に置き換えても「決してあきらめない」
「できるまでやる」「失敗したことはない」と
ご託宣を述べる偉人的大経営者からすれば、お叱
りを受ける内容かもしれません。

 しかし、企業経営はちょっと置いておくとして
も、例えばオリンピックで金メダルを取る人は、
天才中の天才であり、天才的な能力を持ちながら
金メダルまで届かなかった天才が遥に多いのが
現実でしょう。

 とはいえは、大谷翔平に憧れ、あるいはサッカ
ーのW杯に感動し、その道に夢を抱いて進もうと
する子供たちに、最初から「諦める力」を説こう
とは思いません。

 しかし、10代後半か20歳前くらいには、為末大
さんが説く考え方は非常に重要だと私は深く同意
します。

◎◎さんは「諦める力」という表現から
どのようなイメージをもたれますか。
本書をすべて読まなくても、今回、抜粋した内容
だけからでも納得される部分はあるでしょうか。

ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

◎◎さんの幸運な日々を祈念します。

 

 
 
 

お問い合わせ・ご相談

ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

SILマネジメント株式会社

お問い合わせ・ご相談はこちら