【jyogar教授のアモリ通信382】 源頼朝         

◎◎さん(^^♪

こんにちは。

SILアカデミー 1on1 オンライン顧問
jyogar教授の福島清隆です。【専門は物流です】

本日のテーマは「源頼朝」です。


日本史を疑え

「定説」も「最新学説」も一から見直そう

東国の武士たちはなぜ流人の頼朝を担いだのか

本郷和人  文藝春秋  840円+税


今年のNHK大河ドラマは「鎌倉殿の13人です」
小栗淳が演じる北条義時なる人物が主役ですが
先日、ドラマの中で亡くなった源頼朝も大きな
存在でした。
源頼朝の名は多くの日本人が名前だけは良く知
っているでしょうが、源義経の兄貴くらいで、
それほど詳しく知らない人が多いのではないで
しょうか。ましてや北条義時なる人物は私は初め
て知りました。皆様はどうなんでしょう?

上記の書籍の中で、源頼朝について記載されて
いる部分のごくごく一部を、転載してみます


第一章 日本史を疑ってみよう
第二章 古代
第三章 平安時代
第四章 鎌倉時代
第五章 室町時代
第六章 戦国時代
第七章 江戸時代
あとがき


第四章 鎌倉時代 P120~P127 一部転載


冒頭の章で、日本史を見る視点の一つとして
「実力か権威(世襲)か」を挙げました。

(中略)

では、武士の世はどうでしょうか?

武士たちが生きているのは、厳しい自力救済
の世界です。最終的には、軍事力、もっといえ
ば暴力というリアルパワーに裏打ちされた者だ
けが生き残る。そこでは、権威などというぬる
いものは存在せず、実力による淘汰が起きてい
たはずだ、と、まずは考えてみました。

(中略)
 
 頼朝は、先にも述べた源義家を祖先に持ち、
平治の乱で敗れた義朝の嫡男として生まれまし
た。三番目の息子だったのですが、母が熱田神
宮の大宮司の娘という家柄の良さもあり、生ま
れたときから、源氏の跡取りとみなされていた
のです。

平治の乱以前の源氏であれば、関東の武士団
をまとめあげ、中央の政争で存在感を発揮する
頼もしいリーダーだといえます。
 しかし、頼朝は一敗地にまみれ、領地もない
、親兄弟も死ぬか離れ離れで、家来もほとんど
いない。時価評価でいえば、戦闘力ゼロにちか
い、一介の流人です。ただし権威はある。
「源氏の嫡男」であり、「義家以来の武士の棟
梁」という看板です。だとすれば、武士たちも
やはり権威に弱い。”ぬるい人たち”だったの
でしょうか。
 たしかに関東武士も権威を重んじました。
しかし、それは「権威に弱い」というのとは一
味違う、強かなものがあったように思うのです

(中略)

● 頼朝の「外交力」

では、源氏の嫡男という権威のほかに、頼朝
にはどんな力があったのでしょうか。それを確
認するために、頼朝旗揚げからの足跡を簡単に
追ってみたいと思います。キーワードは朝廷と
の対峙です。

1180年8月、北条時政に伊豆の目代を襲撃さ
せた頼朝は、石橋山の戦いで敗北するも、船で
安房に脱出、安西景益の手引きを得て、房総に
勢力を持つ上総広常と千葉常胤を味方につけま
す。さらに武蔵国に入ると足立遠元、葛西清重
が加わり、葛西と同じ秩父氏一族である畠山重
忠、河越重頼、江戸重長らが参集、そこに頼朝
と呼応して挙兵した三浦一族も合流して、10月
6日、鎌倉に入る。この段階で、初期の頼朝政
権を支える主だったメンバーの大半が顔をそろ
えることになります。

これに対し、平家は平維盛を総大将とする追
討軍を派遣しますが、頼朝軍はこれを冨士川の
戦いで迎え撃ちます。戦いに勝利した頼朝はこ
のまま京都に進軍しようとしますが、「そのほ
かの驕者、境内に多し」、まだ東国に逆らう武
士たちがたくさんいるではないか、と上総広常
や千葉常胤らの反対を受けると、なんと直ちに
馬首をめぐらし、東国の平定を優先、常陸国の
佐竹氏討伐に向かったのです。そして、このと
き頼朝ははじめて配下の関東武士たちに論功行
賞を行っています。上総広常をはじめとする関
東武士が求めたのは、平家の中央支配の打破な
どではありませんでした。まず「境内」すなわ
ち東国を固めること、そして自分たちの土地支
配を保証してもらうことだったのです。

(中略)

ここまででもわかるように、頼朝が行ったの
は、まず関東の武士たちの土地の保証であり、
次に朝廷との交渉でした。

在地領主の土地を脅かす官人たちを撥ねつけ
るには、最終的には朝廷と「話をつける」必要
があります。そのスキルは、当時の東国武士た
ちには望むべくもありませんでした。そのなか
にあって、都生まれ都育ちの頼朝は、朝廷との
交渉=外交ができるという「実力」を発揮した
のです。

頼朝の対朝廷外交は、平家滅亡後、弟の源義
経の処遇をめぐって、さらに鋭く展開されまし
た。
 頼朝の基本方針は、対朝廷の一元化でした。
海千山千の朝廷からすれば、田舎者の関東武士
を転がすなど容易なことです。彼らの術中には
まれば、東国結束などあっさり崩れてしまうー
ーーと頼朝は警戒を強めます。平家を倒すため
に攻め込んだ弟・源範頼にも都に駐留すること
を禁じ、朝廷から任官を受けてしまった御家人
には、もう東国に戻って来るななどと最大級の
叱責を与えています。そうしないと、東国に新
しく生まれたばかりの主従関係は、簡単に骨抜
きにされてしまうと考えたのです。

ところが、この頼朝の政策を全く理解しなか
ったのが、平家討伐の最大の功労者、源義経で
した。平家討伐のさなかの1184年には、頼朝に
断りもなく検非違使に就任。後白河上皇から左
衛門少尉の官位をもらってしまう。さらに、壇
ノ浦の戦い勝利し京に戻ってくると、今度は院
御厩司に補佐されます。この院御厩司は、平家
が担ってきた上皇の武力的な支えとなる役職で
した。義経の数々の独断専行に、頼朝は、義経
の鎌倉入りを禁じ、所領のすべてを没収するな
ど、断固たる処置をとるほかありませんでした

(中略)

義経を討ち、奥州藤原氏を倒した頼朝が都に
上がったのは、1190年のことでした。このとき
後白河上皇と会談し、権大納言・右近衛大将に
任命されますが、翌月には、両方とも辞任しま
す。その前年には、按察使への任官も辞退して
います。

東国武士たちを統制し、朝廷との窓口を自分
に一本化させる。朝廷との距離を十分に取りつ
つ、自分たちの存在を正当化させる。この頼朝
の統率力と外交力こそ、東国政権のリーダーと
して最も求められていた能力だったといえるで
しょう。


(私見)

源頼朝も源義経も名前は知ってますが、それ
程詳しい訳でもありません。今年の大河ドラマ
も毎回、きっちり視聴している訳でもありませ
ん。(最近は欠かさず見てますが・・・)

「義経の方が有名なのに、なんで頼朝の方が偉
くなったんだろ?」
「なんで頼朝と義経は仲が悪かったんだろ?」

率直に言ってそんなレベルの認識しかなかった私
です。時々見逃しはあるけれども、大抵は視聴し
ている今年の大河ドラマと本書から、頼朝がどん
な人物であったのかということと、なぜ頼朝が
義経を嫌ったのかということが、大まかに理解で
きました。


東国武士たちを統制し、朝廷との窓口を自分
に一本化させる。朝廷との距離を十分に取りつ
つ、自分たちの存在を正当化させる。この頼朝
の統率力と外交力こそ、東国政権のリーダーと
して最も求められていた能力だったといえるで
しょう。


なるほど、戦が強くても政治的な統率力や外
交力が劣っていたかもしれない義経では、天下
を取ることは難しかったのかもしれません。
  (あくまでも私見です・・・)

それにしても、頼朝亡き後の大河ドラマの
展開に驚いているのが正直なところです。
you tubeや、中公新書「北条義時」からも
少し学んでいるのですが、本当の歴史の非情、
悲惨さに驚きます。
 本来、平和ボケ日本などというものは存在し
ていなかったに違いありません。どうかな?

ついでに言うと、北条政子も名前は知ってま
すが、北条義時、時政、源頼家、三浦義村他
「誰それ」というのが私のレベルでした。

最近は「鎌倉殿の13人」を欠かさず視聴して
ます。頼朝亡き後の権力闘争の凄まじさに驚く
と同時に、三谷幸喜の脚本に敬服してます。

あまりにも面白いので、上記の「北条義時」
を読んで今後のストーリーは大筋で分かってい
るのですが、三谷幸喜の脚本でどのように
各登場人物が描かれるのか、また俳優さんがど
のように役を演じるのか楽しみです。

◎◎さんは、頼朝と義経では、歴史上
の人物としてはどちらに関心がありますか。

単純に言って、どちらが好きですか。どうで
もいいことですか。

頼朝が、本書にあるように、「統率力と外交力」
のある人物だということを御存知だったでしょ
うか?

ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

◎◎さんの幸運な日々を祈念します。

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