【アモリ通信338:半端者】 20211103

 

◎◎さん(^^♪


こんにちは。

SILアカデミー 1on1 オンライン顧問
jyogar教授の福島清隆です。【専門は物流です】

本日のテーマは「半端者」です。

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 盛和塾68  平成17年12月号 通巻68号

 経営問答
 塾長の一言を経営に生かす

 質問Ⅰ
 新規分野に進出し、役員・幹部をいかにモチベー
 トすべきか?
 
 安田昭夫(やすだあきお)
 <あおもり> 
 アンデス電気株式会社
 代表取締役社長 
              P32~~P39

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 日本と世界の盛和塾の総てが解散して間もなく
2年が経過します。
 その後、各地区で後継組織が設立され、同じよう
に活動は続いています。

 そんな中、「機関誌:盛和塾」全156巻は、これ
までも、これからも私にとっては、「経営のバイブ
ル」のような書物です。

 盛和塾に所属していた日本全国の経営者が稲盛和
夫氏から受けた指導や経営者自身の体験談が山ほど
記載されています。

 今回は、安田昭夫氏の質問に対する「稲盛塾長」
の回答の後半をそのまま転載します。


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〇 創造性のある人と堅実性のある人、両者がいて
  こそ新規分野へ踏み出せる

        (中略)

● 半端者を率いてアメリカ攻城

 私の経験を例としてお話してみたいと思います。
 私は今から35年程前、アメリカのカリフォルニア
のサンディエゴに新しい工場を設けました。得意先
であったフェアチャイルド社が京セラと同じような
セラミックの仕事をしていて、それがうまくいかな
いから、サンディエゴにある工場を買ってくれとい
ってきたのがきっかけでした。

 無理やり押しつけられたような形でのスタートで
した。当時の京セラはアメリカでそれほど大きな商
売はしていません。アメリカでの売上が全体の1割
から1割5分くらいの時でした。

 アメリカに工場進出することは、まさに創造的な
ことでした。そして遠隔地で製造するとなれば、大
きなリスクを伴います。ですから、本当ならば京セ
ラの優秀な技術屋や製造マンを派遣しなければなり
ませんでした。ところが私は、その時に優秀な社員
を出さなかったのです。

 なぜなら、真面目で一生懸命やるタイプの人をア
メリカに出してしまえば、当時のことですからホー
ムシックにかかり、ノイローゼになってしまうかも
しれないと思ったからです。

 逆にアメリカに行ける人は楽天的で、どちらかと
いえばトッポイ人物、常に夢を見るようなタイプで
す。そういう人は京セラの主力工場ではあまり重要
視されていませんので、「おまえ、行かんか」と引
き抜けるわけです。
 アメリカ進出は難しいことでしたから、私はアメ
リカへ行く人たちにも、本社工場に残る人たちにも
話をしました。

 「今からアメリカという地に遠征する。サンディ
エゴにあるフェアチャイルドに工場と言う出城を築
こうと思っている。立派な城をつくらなければなら
ないので、本当ならば、うちの精鋭を引き連れて打
って出なければならないだろう。

 しかし、それは非常に危険なことだと思っている
 日本国内でも同業者たちと競争しているのだから
、本社、つまり日本の工場がそれによって空き巣化
し、弱くなったのでは、その隙を突かれてしまう。
 精鋭を連れて行ったらアメリカの工場はうまくい
くかもしれないが、日本の工場が弱体化し、その隙
を同業者たちに突かれて本丸がつぶれていたのでは
、帰る場所がなくなってしまう。遠征して戦うにし
ても、本来の自分の城だけはしっかりしておいても
らわなければならない。だから、優秀な連中には全
部残ってもらう。半端な奴だけを連れて行く」

 そうすると、連れて行った人たちが文句をいうわ
けです。「社長、われわれは半端者ですか!」
 「そうだ、おまえたちは半端者だ。その半端者と
私は仕事をしようと思っている。これから数年間、
一緒に辛酸をなめて苦労して、もしその半端者たち
が本物に変わったら、京セラとしてはたいへんなこ
とになる。使い道のなかった奴らが最精鋭に変わっ
たとしたら、これはすごいことになってくるではな
いか」
 そういうふうに彼らをけなしたり、励ましたりし
ながら、サンディエゴの工場を経営していったので
した。


● 外人部隊で立ち上げた第二電電

 もうひとつの経験は第二電電でした。
 第二電電というまったく新しい事業をやる時、
私は京セラの幹部連中に、「第二電電をやろうと思
う。おれも一生懸命に考えるので、おまえも何か考
えてくれ」とはいいませんでした。

 なぜなら、電気通信の技術を理解し、経験のある
人でなければ手も足も出ないからです。やりたいと
思ってる私自身だって、手も足も出ません。

 何かきっかけはないかと思っている時、たまたま
電電公社の技術屋であった千本倖生氏と知り合いま
した。私は千本氏に話をしました。

 「今度、おれは第二電電という会社をつくり、電
気通信事業に乗り出そうと思っている。あの巨大な
電電公社を向こうにまわして一戦を交える。男の本
懐、これに勝るものはないではないか。たった一回
しかない人生、一勝負かけてみようという勇気はな
いか?。

 おれは命を懸けてやろうと思っている。いま京セ
ラは1500億円を持っている。そのうち1000億円を捨
ててもかまわんから、やってみたいと思っている。
 だから電電公社を辞めて、うちへ来ないか?」

 「それなら、辞めます」と千本氏はいいました。
 千本氏は電電公社という安定した企業の幹部で
す。その幹部が「辞めます」という。これはよほど
の人物です。よほどというのは、いい加減といいか
えても、楽天家といってよいのかもしれません。

 「電電公社を辞めて、うちへ来ないか」といって
「いやぁ・・・」と返事が返ってくるようでは、た
とえその人がどんな専門知識を持っていても駄目な
のです。電気通信の専門的な知識を持っている人は
電電公社にごまんといます。しかし、そういう人が
本当に”夢見る夢夫”で、その夢に果敢にチャレン
ジするような、大胆なタイプの人間であるかが決め
手になるのです。

 その時、「君の周辺に、そういうクリエイティブ
なものにチャレンジしたいという人間はいるか。危
険はあるが、可能性を信じて夢を描き、その夢に向
かって一生懸命になるタイプの人間を集めてくれ」
ということもいいました。千本氏は十数名の人を集
めてくれました。その中に京セラの社員はいません
 いわゆる外人部隊です。その外人部隊に向かって
、私は新しい夢を語り、第二電電の設立へと一気に
動いていったのです。


● 組織の要になるのは堅実型人間


ただし、組織をまとめる要になるところには、京
セラにいた堅実な人を1,2名配しました。それが連
結材になるのです。

 新しいことを展開していく場合には、チャランポ
ランな人というか、”夢見る夢夫”みたいな人たち
がクリエイティブなことをしていくわけです。とこ
ろが、それをそのままにしておいては駄目です。
 クリエイティブなことを始め、それがうまくいき
だしたら、あとは堅実な展開と堅実な経営が必要に
なります。

 真面目で堅実な人というのは、一度それを習って
しまえば、クリエイティブなことをする人よりもは
るかに強くなるのです。新しいということは、知ら
ないことだから、手に負えないだけなのです。

 現在いらっしゃる幹部の人たちに要求するのでは
ありません。今の幹部の人たちは立派なのです。幹
部の人たちはその人たちに向いた仕事をしてもらっ
て、安田さんが考えていらっしゃる新しい事業、創
造的な仕事については、それに合ったような人を探
すべきだと思います。

 安田さんはまるで、水先案内人のできない連中に
案内しろとおっしゃっているわけです。水先案内を
する連中は人種が違うのです。新しいことをしてい
く場合には、それが大きな鍵になります。

(平成17年8月2日 青森・函館ツアー(青森)での
 経営問答より)

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そうすると、連れて行った人たちが文句をいうわ
けです。「社長、われわれは半端者ですか!」
 「そうだ、おまえたちは半端者だ。その半端者と
私は仕事をしようと思っている。これから数年間、
一緒に辛酸をなめて苦労して、もしその半端者たち
が本物に変わったら、京セラとしてはたいへんなこ
とになる。使い道のなかった奴らが最精鋭に変わっ
たとしたら、これはすごいことになってくるではな
いか」


 「電電公社を辞めて、うちへ来ないか」といって
「いやぁ・・・」と返事が返ってくるようでは、た
とえその人がどんな専門知識を持っていても駄目な
のです。電気通信の専門的な知識を持っている人は
電電公社にごまんといます。しかし、そういう人が
本当に”夢見る夢夫”で、その夢に果敢にチャレン
ジするような、大胆なタイプの人間であるかが決め
手になるのです。


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(私見)

今の30代以下の年代の人々が、こういう記事を読ん
だらどう感じるのでしょう?。
ちょっとウザイと感じるのだろうか?

 「半端者」と言われた瞬間、「こんな人について
いけるか」と相手を見限るのだろうか?
 否、それは我々の世代でも、もっと古い世代でも
同じかもしれません。
 結論から言って、「口説く人の人間力」に尽きる
に違いないと思います。

 稲盛和夫のような人物だからこそ、きっと人はつ
いて行ったのだと思います。
 もっとも、ついていけなかった人は、「ボロカス
に・・・」という声も聞こえなくはないのですが。

 
 自分の人生を振り返ってみて・・・・・・

「お前は半端者だ。どうせならオレについて来い」
と、「○○さんから」自分が言われたとしたら・・
と、「●●さんに」自分が言ったとしたら・・・・
またまた下らないことを書くのは自重します(💦)


「半端者を云々」とは言いませんが、今いる人材を
育てる。
それに徹して、私も地道に謙虚に努力します。

◎◎さんは、もし、何某かの境遇にあった時、
「半端者呼ばわりされてなおかつ、オレについて来
い」と言われて、その人についていったでしょうか。
逆に
「半端者呼ばわりして、オレについて来い」といって
その人がついてきたでしょうか。

お互いが惚れれるかどうかでしょうか?

ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。


最後まで読んでいただきありがとうございます。


◎◎さんの幸運な日々を祈念します。

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