【アモリ通信326:中村天風】 20210811

◎◎さん


こんにちは。


SILアカデミー 1on1 オンライン顧問 福島塾
塾長の福島清隆です。 【専門は物流です】

本日のテーマは「中村天風」です。

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 心に成功の炎を

 公益財団法人 天風会 1994年

 述者 中村天風(なかむらてんぷう)

         本体 9,800円+税

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中村天風、稲盛和夫、孫武(孫子の兵法)、
ドラッカー、松下幸之助。
この5人は、私が「私淑する人」ベスト5です。 

しかし・・・・・・・

あまりにも雲の上で、格段にレベルの違う人ばかり
から学んでしまう弊害?を感じなくもありません。

というのは、私より「実績と人格」で優れている人
は、世の中にゴマンといます。それは謙遜でもなん
でもなく絶対的真実です。

しかし、私が私淑する人ベスト5ばかりから学んで
しまうと、他の人々が、物足りなく、レベルも落ち
るように感じてしまいます。

これはトンデモナイ大間違いです。

別格の人から学んでいるから自分もエラクなってる
ように錯覚し、自分より実績と人格の優れている人
が物足りなく感じてしまう。

ただの、アタマデッカチ!!

アホか・・・オマエは (喝!!)

少年キヨタカ君が偉人から学ぶのはいいが、とっく
に還暦の過ぎた清隆爺は、もっと醒めた目で冷静に
学ばなきゃいかんぜよ。


とはいうものの、今回は、別格の人、明治、大正、
昭和の哲人、中村天風から学びます。

上記の書籍のP34からP42までをそのまま転載しま
す。 (少し長くなりました)


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 そもそも最初に私が、スター・アンド・ストライ
プスの記者クラブの招聘を受けたのは、太平洋戦争
中、私が疎開しておりました茨城県で、B29で不時
着した、一人のアメリカ兵と出会ったことから始ま
っているんです。言ってみれば、このアメリカ兵が
私とロックフェラーを引き合わせる運命をつくった
といっても過言ではない。

 思いおこせば、昭和16年12月8日からの4か年間が
いちばん私の人生の歴史の中で、本当の文字どおり
の苦難の毎日でした。

 なぜかといえば、あくまでもこの戦争に反対しな
きゃいられない私の気分は、どんな場合であっても
この戦争に少しでも賛成するような言葉は吐けませ
ん。ましてや演壇に立ったら、時の政府や軍閥の悪
口を言ってるもんですから、しょっちゅう私に憲兵
が二人ついていましたよ。あるときは、演壇の上か
ら総理大臣の悪口を言って、1週間の勾留を食っち
ゃった。どういうわけか、私が皇族講演の講師だっ
てことがわかったら、今度は警視総監が来て謝るん
だ。まあとにかく、手をかえ、品をかえて弾圧を受
けましたよ。

 そして、戦争もだんだん苛烈になってきて、東京
が昭和20年5月の25日、第3回目の大空爆によって全
滅。その明け方にB29の搭乗員である飛行中尉が、
私の家族の疎開しているすぐわきの田んぼに不時着
したんです。

 それでお百姓が発見して、寄ってたかって袋だた
きにしちゃったんです。そして彼を荒縄で縛って、
交番所に連れてきたところへ、私がヒョイと通りか
かった。

 「なんだ、この人込みは」と言ったところが、
 「今、飛行機でおりた捕虜がつかまったんです」

 彼は、荒縄で後ろ手を縛られて、目隠しをされて
立たされていた。その前で、傲然と、巡査部長がい
すに腰掛け、そのわきに普通の巡査が一人。そして
日本語で盛んに怒鳴ってるんだ。表のほうじゃ、お
百姓たちが、
 「文句いわねえで出してくれ、巡査さん。部長さ
んよ、頼むぜ。もう少しぶん殴ってやりてえだ」と
わめいている。

 それで私、その部長をよく知ってますから、いき
なり駐在所にへ入っていって、
 「おい、縄を解いてあげろ」
 「いや、そんなことをしたら大変です。憲兵隊か
らの命令で、すべて捕虜はこういうふうにしろとい
うことです」
 「よろしい。憲兵隊の隊長はおれの弟子だ。俺が
許す。解け」

 躊躇して解かないんですよ。これはおっかねえも
んね。それで私が解いちゃった。
 「ようございますか」
 「黙っとれ、責任はおれが負うから」
それから目隠しを取ろうと思ったら、巡査が「それ
はやめてください」と言うわけだ。
 「なぜ?」
 「目を開けたら様子がわかる」と言うから、
 「あほ、どんな目のいいやつだってね、生まれて
はじめてのところへ行って、目隠しを取られて、キ
ョロキョロしたって何がわかるんだ、駐在所の狭い
部屋中で」
 
 そしてね、とにかく椅子に腰かけさせた。田舎の
村の中でもって、とにかく英語を流暢に話す人間に
会ったんですから、向こうも喜んだ。

「疲れてるようだが、何か食べたいものがあるか」
 「落下傘でおりてから見つかるまでの間に携帯
口糧をすっかり食べたから、腹はへってない。ただ
のどが渇いてるから、水でも緑茶でもいいから飲ま
せてくれ」
 「おい、一番いい茶があるだろう。茶を立てろ」
 「先生、ようございますか」
 「いい。おれが飲みてえと言ったらどうする?」
 「先生にはさし上げます」
「じゃおれによこせ。おれがやるから同じことだ」

 それから今度は交番所の前に出て、

 「おいおい、何を騒いでいるんだ。いま聞いてる
てえと、中に入ってるやつを出せというが、この中
に入ってる人はね、アメリカの飛行中尉だ。士官な
んだ。おまえらじゃわからんかもしれんけれども」

 そして、「外にだしゃあ、おまえたちから半殺し
の目に遭わせちまうだろうけれども、そうしたらお
まえたちも懲役に行くぞ。こういう人の身柄を自由
にする権利は軍隊にあるだけだ。
 だから、私はあんた方に聞きたい。あんた方の中
で、息子が戦争に行って者があるなら手を挙げろ」
みんな手を挙げた。だいぶ行ってるんだ。

 「それじゃあいま手を挙げた人に聞くが、おまえ
たちの息子が戦地で、アメリカの人々にとっつかま
ってこういう目に遭ったとき、いいか、アメリカの
人間がそこへわんさ集まってきて、袋だたきにする
、半殺しにするといって、それをあとで聞いたら、
おまえたち、うれしいか」

 わかったとみえて、黙っている。

 「ええ? それがうれしいと思ったら、今、ここ
に出してやるから、どうでもしろ。けど、それが後
に世界に伝わって、日本人は鬼よりも無慈悲だとい
われたときに、名誉な話じゃないということを考え
ないか。引き取りなさい。忙しいお百姓の仕事をし
ているおまえさんたちがそこでわあわあ騒いだから
って、この戦争に勝てるもんじゃない。帰んなさい

 そう言ってから、駐在所の中に入って、すぐに知
事に電話をかけた。そして、車をこさせて、私もそ
れに乗って一緒に憲兵隊に行ったよ。

 それで憲兵隊の隊長に、私から、
 「日本の武士道は敵を愛するところにあることは
知ってるな」
 「存じております」
 「たとえ本部からどんな命令がこようとも、おま
えの手元にある間だけは不自由なく、お客様扱いに
して、この人の一生のよい思い出をつくってやって
くれ」と頼んで、その帰り際にそのアメリカ兵に、
 「いずれまた縁があったら、お目にかかるときが
来るかもしれない。その日を楽しみに、今日はお別
れしよう」といって手を出した。そうしたらね、
 「失礼だが、あなたのお名前は?」と聞くから、
 「さっきから私はあなたとこうやって長い時間、
おつき合いしているけれども、一度も私はあなたの
名前を聞かないだろ。私はあなたの名誉のためにあ
なたの名前を聞かないんだ。国と国とは不幸にして
戦っているが、人間同士、ここになんの恩も恨みも
ない。今、私があなたの名前を聞くということは、
ジェントルマンしくないと思うから、あんたも私の
名前を聞くな。お互いにあった事実は、一生忘れよ
うたって忘れられることじゃないんだから、今日の
日に起こったこのアクシデントは、あなたの記憶の
ページの中にはっきりしたためておけばよろしい。
わたしももちろんそうする。そしてまた、長い月日
の間、ふたたび会う機会が与えられたときに、大い
に今日を昔語りとしようではないか。それまで元気
でおれ。さようなら」そういって帰ってきた。

 ところが、そのことがロックフェラーから招かれ
る動機となったんですから、不思議なもんですな。

 そのアメリカ兵は戦争が終わって、いったん国へ
帰った。しかし、どうしてもこの事実を忘れられな
い。また会う機会を自分でつくらなきゃつくれない
と思ったんでしょう。そこで、スター・アンド・ス
トライプスの日本特派員記者を志願したんです。

 そして日本に来て、その日の事実をそのままアイ
ケルバーガー中尉に具申し、GHQ(占領軍総司令部)
の力で調べた。その感謝の意味でということで、
GHQに呼ばれたわけなんです。

 そして、いきなり、アイケルバーガー中尉が、
 「一体あなたは何をする人なんですか。クリスチ
ャンですか」と聞くんだよ。
 「なぜ?」
 「いや、そういうふうな敵を愛する気持ちをもつ
のはクリスチャンだけだ」と言うんだ。
 「いや、違います」
 「クリスチャンでないとすると、どういうお気持
ちで敵の将校をお救いになすったんですかと聞くか
ら」
 「人間の気持ち」と言った。
 そうしたらね、パッと手を出して
 「そういう言葉を日本人の口から聞いたのははじ
めてだ」と言ったよ。そして
 「その本当の人間の気持ちというのは、生まれて
からずっともっていたんですか」と聞くんだ。
 「生まれてから不幸にして途中で何べんか失った
。だが、ここのところ、約35,6年もってる」と答
えたら
 「それはどういうわけです?」
 「私はこういう哲学をやった人間だ」と話したら
 「その哲学ならば、我々アメリカ人が今、非常に
干天(かんてん)に雲影(うんえい)を望むほど待
ちこがれている哲学だ。それはぜひともひとつ講演
で聞かせてください」

 というのがもとで、記者クラブになってる有楽町
の毎日新聞のホールで、ヨガ哲学のレクチャー(講
義)を始めることになったんであります。

 そうしたところが、そこに来ていたロックフェラ
ーが気に入っちゃったわけだ。とくに、ロックフェ
ラーが感激極まって、私に即座に来てくれという気
持ちを起こしたのは、インドのヨガの哲学の中に、
クンバハカ密法というのがあります。本場のインド
でもその具体的な方法を教えない。クンバハカ密法
の「How to do」を私がわかりやすく実践的に説い
てやったからなんです。

 さあそれからというものは、惚れた女を口説く以
上の熱心さで、首に縄をつけても引っぱってこいと
するんです。

 彼は、当時としては、破格の金額を報酬として
用意しますと言うんだが、私は断然行きません。

 なぜ行かないかというと、「世界平和の光は日本
から」という信念をもっていますから。

 世界の平和は日本がリードしていく。そのために
、まず日本人をただしいものにつくりあげることを
私の生涯の務めとしているんです。それは、確固不
抜、私の心から消え去らない信念なんであります。


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(私見)

 今の30代以下、20代以下の若者が中村天風氏の書
籍を読んだら、どのように感じるのでしょう?

 少年キヨタカ君は、根が単純かつ純粋なので感動
してしまいます。  (マジか・・・?)

 しかし、世の中を斜に構えて見ている清隆爺は、
「凄い人だ、しかし、話はちょっと盛ってるんじゃ
ないか」などと、天風信者が聞いたらぶっ飛ばされ
そうな感覚もあります。

 事実、本書のみならず「成功の実現」や「盛大な
人生」を読むと、同氏が常人とはレベルの違う人生
を歩んでこられたことが理解できます。(内容が
100%真実であれば・・・・オイオイ、マタマタ・・・💦)

 稲盛和夫氏は、自分がいなくなって、他の誰かが
「稲盛哲学」を説いても、それはもう「稲盛哲学」
ではない、という信念で、一昨年、「盛和塾」を日
本国内も海外も総て解散しました。今はその継続団
体が各地で名前を変えて存続しています。

 中村天風氏に学ぶものだと思うのですが、「天風
会」というものが日本各地に現在でもあるようです
 果たして、同氏の教えを何ら逸脱することなく伝
え続けているものなのか、機会があれば覗いてみよ
うと思います。


『世界の平和は日本がリードしていく。そのために
、まず日本人をただしいものにつくりあげることを
私の生涯の務めとしているんです。それは、確固不
抜、私の心から消え去らない信念なんであります』


生涯追いつくことなどあり得ない、私が「私淑する
人」のひとり。「中村天風」です。


◎◎さんは、今回書かれている内容を100%
「真実」として素直に受け入れる方でしょうか。

ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
もっと

◎◎さんの幸運な日々を祈念します。

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