【アモリ通信324:『親族外』への事業承継】 20210728

 

◎◎さん(^^♪


こんにちは。


SILアカデミー 1on1 オンライン顧問 福島塾
塾長の福島清隆です。 【専門は物流です】

本日のテーマは
     「『親族外』への事業承継」です。

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  特集: 「親族外」への事業承継

  経営権と支配権を誰に、どう譲るか

  日経トップリーダー  2021.5

P43~~~P54

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◎ 経営者の「5年後の年齢表」を作る

  事業承継ポジションニングマップ 

      【年齢:65歳】
     
* 親族内事業承継  年齢:高

  タイプA
・相続時精算課税制度
  ・従業員持ち株会社の設立
  ・ホールディング会社の活用
  ・遺言書の活用

* 親族内事業承継  年齢:低

  タイプC
・暦年贈与の検討
  ・適格合併の検討
  ・株式交換の活用
  ・中小企業投資育成の活用 

* 親族外事業承継  年齢:高

  タイプB
  ・株式譲渡(M&A)の検討
  ・ホールディング会社の活用
  ・MBO方式
  ・種類株式の導入
  ・自己株式の買い取り

* 親族外事業承継  年齢:低

  タイプD
  ・株式譲渡(M&A)の検討
  ・会社分割による組織再編
  ・種類株式の導入


◎ 創業家の株と理念を承継した玩具会社    

・玩具・雑貨の製造卸などを手がけるエイコー
 (東京・墨田)。社員46人で35億を売り上げる。
 同社では、2代目を創業者の右腕(平岡)が務め
 3代目は社員上がりの西谷元晴社長が務めている
  いずれも創業者の親族外だ。親族外事業承継
 の1つ。社員への承継で会社を発展させるポイン
 トを聞いた。

・2代目は、創業の頃から辻谷(創業者)の右腕
 的存在で、その後、社長、会長を務めた平岡
 秀比古。私は彼からバトンを受け取りました。
 辻谷には娘さんがいますが、嫁ぎ先も事業を営
 んでおり、親族に継がせるという選択はなかっ
 たと聞いています。

・辻谷からも「共に喜ぶ」という経営理念を守り
 続けてほしいと折に触れて言われるだけで、経
 営に口を挟まれることはありませんでした。
 ちなみに辻谷(創業者)も平岡(2代目)も、
 社長を次代に渡してから3年ほど会長として並
 走していますので、継ぐ側は安心感があります

・株式の承継は、社長就任の3年前から準備を始
 め、現在の形に落ち着くまでに足かけ約7年と
 十分な時間をかけています。

・業績が良くて評価額の高いエイコー本体の株式を
 直接移転するのではなく、持ち株会社の株式をオ
 ーナーの辻谷から取得するスキームを使い、無理
 のない承継をしていきました。株価は額面500円
 の倍の1000円で買い取りました。購入資金は、会
 社からの借り入れと、給与で賄いました。

・社長51%、金庫株49%
 現在の株式の保有比率は私が19.4%、役員2人に
 15%ずつ、持ち株会社のエミリオが13.6%、残り
 は社員持ち株会と金庫株(自己株式。自社で保有
 ・保管)です。持ち株会社では課長代理以上が
 株を取得しますが、そのために彼らの賞与を厚め
 にしています。エミリオ株の51%は私が保有し、
 49%は金庫株です。辻谷はもう1株も保有して
 いません。

・当社では、創業者時代から経営計画書を作成し、
 どんな考え方で会社を経営していくかを整理して
 いるため、経営があまり属人的にならない。その
 点で経営面の承継も比較的スムーズにできている
 と思います。

・社内で事業承継する際、継ぐ者も覚悟が必要だが
 継がせる側も、公私を混同しない覚悟が一段と必
 要かもしれない。自分は創業者だからと、必要以
 上に口を出せば会社が回らないからだ。エイコー
 の場合、コピー代を払おうとする創業者の行為に
 すべてが表れている。現経営陣は、創業者の辻谷
 を毎年社員旅行に招き、挨拶の場も用意する。株
 を持っているかどうかは関係ない。創業者と経営
 陣の関係性の構築が重要なのだ。


◎30代の取引先担当者に託した2000万円

・企業の人材採用や営業、販売促進、データ入力な
 ど多様な業務を支援するデルタ(東京・中央)。
 同社の創業者から事業を承継したのは、取引先の
 社員、平井健一氏だった。平井氏は2007年に引き
 継いだ後、社員約20人規模の会社を500人規模の
 企業グループに成長させた。社外の人にスムーズ
 に会社を受け渡すにはどうすればいいかを探る。
 
      デルタの事業承継の前後

・1997年(平井氏、25歳、以下同)
 大阪市立大学卒業後、新京葉リクルート(現リク
 ルート)入社
          ↓
・2004年(32歳)
 リクルートの海外スタッフとして、第一広栄社の
 オーナー(千代)と出会う
          ↓
・2007年(35歳)
 リクルート退社。第一広栄社の全株式を購入し、
 事業承継。従業員18人
        ⇒40人に増資。古参の役員退任
          ↓
・2008年(36歳)
 リーマンショック。いきなり売上高が前期比70%
 減。1億円の赤字に。
          ↓
・2014年(42歳)
 前オーナーから借りていた運転資金を13年に完済
  現社名に変更
          ↓
・2021年(49歳)
 M&Aによる事業拡大などにより、従業員513人
 (グループ計)に

・先代は2000万円のお金を会社に残したんです。
 先代は古参の役員2人が私の下では付いていけず、
 早晩辞めるだろうと想定して、彼らの退職金とし
 て私に託しました。

・先代はお金に対する態度がきれいで、人の気持ち
 もよく分かっていました。実際、2人はこのお金
 を受け取って1年で辞めています。先代ならでは
 の見事な判断だと思いました。

・「トップラインを上げていく」。平井社長のこの
 言葉は力強い。実際、平井社長は承継後に会社を
 大きく成長させた。コストダウンが得意でも、
 売り上げを増やせない人は社長に向かない。

・この承継に創業者は満足したという。デルタの
 事業承継の成功は、創業者が、社員の意見も参考
 に承継者を見極めたこと。そして、承継後に新し
 い社長が力を発揮する上で差し支えが生じないか
 と想像を巡らせ、古参役員の退職金をしっかり用
 意するなどしたことも経営の安定に寄与している

・平井社長は今後、株式上場を目指し、身内に継が
 せるようなことは考えていないという。


◎「先代を立てる」ことでうまく回る
 
・税理士法人の古田士会計などを束ねる古田士経営
 (東京・江戸川)は本誌でもおなじみの会社。
 その2代目を務める飯島彰仁氏は、顧客企業の事
 業承継を含む経営全般のコンサルティングをしつ
 つ、創業者の古田土満氏との間で自社の事業承継
 も成功させた。経営を助言する立場の会社が実施
 した事業承継とはどのようなものか。

・15年、40歳のときに取締役に選任され、5.5%の
 株式を保有することになります。この時点で、創
 業者から「次だよ」と次期社長への就任を示唆さ
 れ、翌年常務取締役に昇格、18年に43歳で代表取
 締役社長に就任しました。持ち株比率も14.4%に
 なりました。

・会長から聞かされたのは、「私を立ててくれるか
 ら」という理由でした(笑)。
 最初は、そんなことが決め手になるのかと思いま
 したが、「先代を立てる」ことは先代の経営を肯
 定することです。先代は、それなしに安心して次
 期社長に事業を託すことはできないでしょう。

       (中略)

・売り上げを伸ばせることは時代の経営者が持つべ
 き能力として重要です。

・株を14.4%しか持っていない私は、いつ会社を追
 われてもおかしくない立場にあります。とはいえ
 当社の場合、議決権を持っているのは理念を共有
 できている役職者だけであり、創業家の持ち株比
 率も14.7%と以前に比べ大幅に下がっています。
 従業員持ち株会の株は議決権なしの配当優先株と
 しています。
  こうした仕組みにすることで、創業者や経営者
 が過半数を握らなくてもいいのです。

・会長は今年69歳になりますが、今でも現役バリバ
 リです。古田士経営といえば、会長の古田玉満が
 看板になっていますし、業界においてもカリスマ
 的な存在ですから、私は、その威光の下で経営し
 ているといえるでしょう。

・私の役割としては、この並走期間中にできるだけ
 多くのお客様にお会いし、私の存在をアピールす
 ることが、大切だと思っています。しばらくの間
 二代表制になっていることは自分にとってありが
 たいと感じています。
  事業承継を実行した後は、先代は口を出すなと
 か、時代が変わったのだから先代の古いやり方も
 変えるべきだ、という発言をする人がよくいます
  ですが。それまで会社が儲けを出し、存続でき
 たことの裏には、先代が長い時間をかけて築き上
 げてきた仕組みが必ずあります。

・当社の場合は、顧客にも勧めている「経営計画書
 」に、経理理念や行動指針が記されています。
 社長になる人がしなければならないことも、細か
 く丁寧に書かれていますので、私はただ、これに
 のっとればいいんです (笑)。

【まとめ】

・親族外承継においては、創業家がどれくらい株を
 持ち続けるか、所有と経営を分けたとして、後継
 者は創業家とどんな距離感を保つべきかなど考え
 ることは多い。

・株式の承継以上に経営の承継を重要視する姿勢だ
  後継者は単なるコストカッターではなく、売り
 上げを作ることができるか。トップに立つにふさ
 わしい人間性を持っているか。先代の経営や人生
 に敬意を払っているか。そして、経営理念をしっ
 かり受け継いでくれる人物か。
  他人だからといって遠慮は無用だ。他人だから
 こそ、徹底的に厳しく評価するのである。


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正確な数字は忘れましたが、あと5年もすれば、
65歳以上経営者は(そのままその座にいたら)70%
以上になるのではないでしょうか。

しかも、中小企業の現実は、70%以上が後継者が
いないとか。

会社を解散するか、M&Aを考えるか。あるいは、
「親族外」への事業承継を考えるか。

今回のテーマは、オーナー経営者にとって極めて
現実的な選択肢のひとつに違いないと私は思いま
す。

『株式の承継以上に経営の承継を重要視する姿勢
 だ。後継者は単なるコストカッターではなく、
 売り上げを作ることができるか。トップに立つ
 にふさわしい人間性を持っているか。先代の経
 営や人生に敬意を払っているか。そして、経営
 理念をしっかり受け継いでくれる人物か。』


この結論に尽きるように思います。


◎◎さんは、ご自身の会社、あるいは知人
の会社などで、事業を存続、発展させるために、
「親族外」への事業承継を考えている会社、ある
いは、それをアドバイスしたくなるような会社を
御存じでしょうか。

ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。


最後まで読んでいただきありがとうございます。


◎◎さんの幸運な日々を祈念します。

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