◎◎さん(^^♪

こんにちは。

SILアカデミー　1on1 オンライン顧問　福島塾
塾長の福島清隆です。 【専門は物流です】

本日のテーマは「池江璃花子と田中邦衛」です。

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選択　５　三万人のための情報誌

　大往生考　水泳・池江の命を懸けた「大博打」
　内科医　　佐藤 海那斗　 (P42~P43)

本に遇う　黒板五郎とい生死
　　　　　　河谷忠夫　　　　　　　　(P94~P95)

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月間誌「TOPPOINT」の購読は今年は見送り、新た
に「選択」を購読しています。
ただ、この雑誌は政治・経済の裏話というか暴露
みたいなスタンスが多いので、取り上げる記事も
限られるように感じています。

そんな中、表題のようなものもあり、今回はその
一部をご紹介します。

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大往生考　水泳・池江の命を懸けた「大博打」
内科医　　佐藤 海那斗　 (P42~P43)

・医療に関わる者として、後にも先にもこれほど
　出来過ぎた話は聞いたことがない。水泳・池江
　璃花子選手の復活劇だ。2019年2月、急性リン
　パ性白血病を公表したとき、今日この活躍を予
　想した医師は一人でもいただろうか。
・仲の良い血液内科医に、池江選手の白血病公表
　直後、将来展望を聞いたことがある。「東京五
　輪への出場は不可能」との即答だった。改めて
　今回の快挙について問うと「命を懸けた大博打
　を打ち、そして勝ったのだ」と当初の予想の大
　外れをばつが悪そうに認めた。
・彼が指摘する最初の「博打」は造血細胞移植（
　以下、移植）を選択したことだ。急性リンパ性
　白血病の治療で判断が難しいのは、池江選手の
　年齢なら抗がん剤だけでも約七割で治癒が望め
　ることだ。
・移植と比べ身体ダメージは軽度で、アスリート
　として復帰できる可能性が高い。ただ、この場
　合の問題は、寛解導入法や地固めの強い抗がん
　治療を終えた後、二年程度、少量の抗がん剤を
　維持療法として内服し続けなければならないこ
　とだ。この期間は復帰できない。
・五輪出場を目指すなら、できるだけ早く治療を
　終えねばならない。移植は、この目的に適う。
　大量の放射線や抗がん剤の投与後に、HLAとい
　う白血球の血液型が適合した健常人ドナーから
　採取した造血幹細胞を輸注する（報道を見る限
　り、臍帯血移植ではないようだ）。このような
　細胞は二～三週間で生着し、体力が戻るのを待
　って退院となる。再発しない限り、主な治療は
　これで終了だ。免疫力が回復する半年～一年後
　には社会復帰も可能となる。
・移植の問題は副作用だ。前処置に用いる大量の
　放射線や抗がん剤は、全身の臓器を障害し、時
　に致命的となる。心肺機能への影響は避けられ
　ない。また、最近は卵巣保存や放射線からの卵
　巣保護を行う施設も増えているが、移植をすれ
　ば多くの場合不妊となる。若年女性にとって重
　要な問題だ。
・かくのごとく、治療選択は難しい。多くの患者
　は移植を躊躇する。知人は「まずは抗がん剤で
　治療し、再発すれば移植を勧める」と言う。も
　し、再発したら、その時は抗がん剤では治癒し
　ないので、選択に迷うことはない。池江選手の
　移植選択には強い決意が滲む。
・移植を選択した後も、池江選手には不安が残っ
　たはずだ。それは移植後には移植片対宿主病
（GVHD）という免疫学的合併症を発症することが
　あるからだ。GVHDとは移植した造血細胞が正常
　臓器を攻撃してしまうことで、肝障害や下痢を
　生じる。予防のため、移植患者は免疫抑制剤を
　服用するが、それでも安全には抑えきれない。
　時に重症化し、死亡することもある。

　　　　　　　　（中略）　

・池江選手は、早い段階から東京五輪出場を考え
　ていたのではないか。知人が注目するのは、昨
　年三月に彼女がプールでの練習を再開している
　ことだ。骨髄移植を受けた一昨年夏から半年後
　にあたる。
・これは、この時期に免疫抑制剤をかなり減らし
　たことを意味する。
・通常は半年以上をかけ、緩徐に減量するから、
　随分と早い減量だ。
・知人は、この措置を「東京五輪出場に向けた二
　つ目の博打」という。「博打」と言うのは、す
　でに述べたように、GVHDの誘発リスクのことだ
　　トップアスリートの池江選手の場合、軽症で
　もGVHDが出れば競技は再開できなくなる。一方
　東京五輪予選を考えれば、協議再開のタイムリ
　ミットがある。それがこの時期だったのだろう
・パリであれ東京であれ、池江選手が再び五輪に
　出場するためには、移植前処置で重大な副作用
　が出ず、GVHDを発症せず、さらに早期に免疫抑
　制剤を中止することが絶対条件だった。すべて
　が上手くいく可能性はごくずかだ。彼女は、そ
　れに賭けた。そして、すべてをクリアーし、
　競技再開のスタートラインに立ったのだ。長期
　間にわたる闘病生活で身体機能が衰えた彼女は
　その後も壮絶なリハビリに耐え続けたのだろう
・白血病を患った誰しもが、彼女のような経過を
　辿れるわけではない。本人の努力や気力だけで
　は、乗り越えがたい壁もある。五輪の切符をも
　ぎ取った池江選手は、そういう運命の持ち主だ
　ったのだ。そしてその壮挙を支えた家族と医師
　団には、医療者の一人として心から敬意を表し
　たい。

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本に遇う　黒板五郎とい生死
　　　　　　河谷忠夫　　　　　　　(P94~P95)

・久しく姿を見なかった俳優田中邦衛の訃報に接し
　た。四月二日に家族が公にしたところによると、
　三月二十四日に老衰で逝ったそうである。八十八
　歳だった。
・「すばらしい医療・介護チームのサポートのもと
　私たち家族も、共にかけがえのない時を過ごすこ
　とができました」とあるから、終末看護を受けて
　いたのであろう。
・葬儀は家族だけで済ませた。香典、供花は辞退。
　「お別れの会」や「しのぶ会」はしないと明言
　しているのが未練たらしくなくていい。
・「彼ほど純粋で真面目で無垢で、家族を愛した
　男を知らない。いや、家族だけではない周囲全
　てをだ。かれはあたかも僧籍にいる人のようだ
　った」と倉本聰が悼んでいる。
・田中邦衛と言えば黒板五郎だ。倉本は脚本を書
　いたテレビドラマ「北の国から」で二十一年に
　わたり父親を演じた。最後は「北の国から02
　遺言」であった。炭焼き小屋で五郎は遺書を書
　いている。
・「純、蛍。おれにはお前たちに遺してやるもの
　はなにもない。でもーー、お前らにはーーうま
　くいえんが、遺すべきものはもう遺した気がす
　る」
・「金なんか望むな。倖せだけを見ろ。ここには
　何もないが自然だけはある。自然はお前たちを
　死なない程度には充分毎年喰わしてくれる。
　自然から頂戴しろ。そして謙虚に、つつましく
　生きろ。それが父さんの、お前らへの遺言だ」
・むろん、「北の国から」の人物像は倉本の造形
　であり、科白の一言半句まで倉本によるものと
　承知するが、五郎と邦衛は合同図形のよに重な
　り合って離れない。

　　　　　　　　（中略）

・忘れられない場面がある。
・その一
　ラーメン屋で、純が卑怯な行いを告白している
　最中、丼を下げようとした店員をぎらりと見た
　五郎が一喝する。「子供がまだ食ってる途中で
　しょうが！！」
・その二
　中学を出た純が東京に行くのにトラックに便乗
　する。運転手が「しまっとけ」と二万円を渡す
　　「いらんというのにおやじが置いていった。
　抜いてみな。ピン札に泥がついている。お前の
　おやじの手についてた泥だろう」
・その三
　純が東京で女友達を妊娠中絶させた。飛んでき
　た五郎が、親代わりの豆腐屋の前で土下座する
　　土産のカボチャを相手は受け取らない。「あ
　んたはさっきから誠意と言ってる。誠意って何
　かね」
・その四
　蛍と孫の快が去る。駅で五郎は泣きながら、転
　びながら、線路まで下りて追いかけるのだ。
　「あなたのそういうみっともないところを、
　昔のぼくなら軽蔑したでしょう。しかし今」と
　純は思う。
　「父さん、あなたを好きです」
・「遺言」から九年後の2011年に倉本聰がドラマ
　の由来を述べた「独白」によると、五郎役の候
　補には高倉健、藤竜也、西田敏行、中村雅俊、
　緒形拳といった名前が挙がって、選考は難航し
　た。「もっとも情けないのは誰だろう」となり
　満場一致で邦衛に決したそうだ。高倉健だった
　ら、みっともない真似はさせられなかったろう

　　　　　　　　（中略）

・家族のことも「忘れた？」と言う。「でも時々
　は思い出す？。純と蛍がうんとたまに来るから
　それに蛍の息子の快がもうーーいくつだ。それ
　も覚えとらん」
・だが、昔のことは記憶鮮明だ。
・別れた妻の抵抗を押し切って、子連れで帰郷し
　た経緯を聞かれ、「令子への復讐心も勿論あっ
　たけど、純をあのまま東京に置いて、もやしっ
　子みたいな頭でっかちにだけは、絶対させたく
　なかったンだ？。コンクリートでなく地べたの
   上であいつには育ってほしかったンだ？」と明
　確に述べている。
・純の不祥事の際に持参した「カボチャ」にも理
　由があった。自分も若いころ「出かし」たが、
　その都度おやじはカボチャを持ってお詫びに行
　った。だから「デカした時のお詫びにはカボチ
　ャ」と思い込んでいた。豆腐屋には「誠意がな
　い」と怒鳴られたが、「でもオイラの誠意はカ
　ボチャだったの」。
・詭弁ながら雄弁に語り続ける。「日が沈んだら
　眠る、っちゅうのが、本来の人間の生活だ？」
　に始まって、「甘やかした子供は伸びん。自分
　で闘って力をつける。それが男の生き方だ？」
「大化の改新の年号をおぼえるより、ナワ綯いの
　方法教える方が、よっぽど実生活に役立つ」と
　子育て論から農政批判、人生論まで、言うこと
　はいちいちもっともなのだ。
・純と蛍に「遺すべきものは伝えた」という五郎
　にこの世への未練はない。「墓はいらん。どこ
　かそこいらに埋めてくれりゃいい」と言うので
　ある。子もすぐ親を忘れる。「忘れられた時が
　オイラの本当に死んだ時だ？　所詮、オイラは
　そんだけのもンだ？」
・誠意溢れる人生だった。

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「池江璃花子と田中邦衛」
全くタイプの違う「天才」といってもいい人物で
はないでしょうか。

池江さんの場合、
「すべてが上手くいく可能性はごくずかだ。彼女
　は、それに賭けた。そして、すべてをクリアー
　し、競技再開のスタートラインに立ったのだ。」
正にこの部分は驚愕の一言です。

田中邦衛の場合は、田中邦衛＝黒板五郎であって
演技をしなくても、普通にその人物になり切れて
いるのが常人と異なるところだろうと思います。

私、恥ずかしながら、「北の国」をじっくり観た
事がないのですが、それでも、テーマソングはし
っかり脳ミソにインプットされてますし、純と蛍
の成長の変化にも気づいていました。
今更ながら、you tubeで名場面集に魅入っている
ところです。

全く関系のない二人でしたが、これからもまだま
だ、多くの人々に感動と勇気を与えてくれそうな
池江璃花子。

記憶に残る人で、もうこんな人は出ないだろうと
思わせてくれる田中邦衛。

いずれにせよ、私からみたら、雲の上にいるリス
ペクトすべきお二人です。

◎◎さんは、池江璃花子と田中邦衛では
よりどちらに関心がおありでしょうか。

比べるようなものではないと思いますが、特に
無関心でしょうか。

ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

◎◎さんの幸運な日々を祈念します。

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