【アモリ通信249:中小企業は要らない?】  20200212


福島清隆 さん

こんにちは。

キャッシュフローコーチ &
   リスクマネージャーの福島清隆です。
本日のテーマは「中小企業は要らない?」です。
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中小企業 本当に要らない?
 展望「ポスト大廃業時代」
日経ビジネス  2019.11.25
        ( P26~~P45 )
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多くの中小企業経営者やその関係者が見たら、
「ドキッ」とするか、あるいは「怒り」を感じるか
もしれない、今回のタイトルです。
悪意はありません。ちょっとウケ狙いです(汗)

特集 目覚めるニッポン
   中小企業 本当に要らない?
     展望「ポスト大廃業時代}
   PART1 高まる「淘汰論」、幕を開ける
      「大廃業時代」
      中小企業経営者も自虐
      「99%は要らない」     028
   PART2 小さな会社がないとどうなる
      中小企業、全部消えたら
      「街」も「技術」も消える   034
   PART3 「大廃業時代」の乗り切り方
      必要な中小は残す
      実践すべき5つの知恵        040
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度々、同じことを言って恐縮ですが、メルマガを
読むより、本論の原稿をPDFにして(関心のある人
には)送信した方が、どれだけ有益か・・・と思う
ものの、そのサービス?は中止しました。
基本的に違法ですし、最終的に電子書籍にしてる
ので、過去はともかく2020年からは、
モウシマセ~ン・・不祥事の事前対策?(苦笑)
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PART1 高まる「淘汰論」、幕を開ける
      「大廃業時代」
      中小企業経営者も自虐
      「99%は要らない」     028
〇 中小企業の貢献度は確かに高いが・・・
中小企業の企業数、従業員数、GDPへの貢献度
* 企業数
  2016年  大企業  1.1万社 
       中小企業 358万社  99.7%
*   従業員数 全体 約4679万人
       大企業  31.2%
       中小企業 68.8%  
    中小企業は日本の雇用の約7割を支える 
* 成長力  全体  531兆円
       中小企業の付加価値額 135兆円
    GDPの4分の1に貢献
 注)中小企業白書などから
   2015年の生産側から見たGDP、中小企業に
   個人事業主含む 
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〇 デービッド・アトキンソン
  (小西美術工芸社:東京・港区:社長)
・「中小企業消えていい」
 かっての暴論、今は正論  
・日本再浮揚の鍵は中小企業の統廃合
 政府主導の賃上げ・中小企業の統廃合
          (2060年までに中小企業の
           数を半分以下に) 
         ↓
       賃金の上昇  
    ↓           ↓
 個人消費の下支え    出生率の上昇
    ↓  経済成長     ↓
 労働生産性の向上 
         × 生産年齢人口の減少抑制

・「日本のために中小企業は半分まで減っていい」
 一昔前の日本なら確実に炎上していたはずのアト
 キンス氏は現在では評判がいいようだ。
・「社員の生活を守るため体を張って頑張っている
 中小企業を悪者にするな」
          ↓
 日本には中小企業向けの「手厚い公的支援」があ
 り、「生き残れないはずの企業を延命している環
 境」が残り、それが日本の競争力の足かせになっ
 ている。
 「日本人の多くが目をそらしたがる問題にメス」
 「この国の真の病根にたどり着いた」
・”よくぞ言ってくれました”的評価が目立つ
●中小企業基本法では、「中小企業」の定義は
 製造業などで従業員300人以下、小売業では50人
 以下等と決められ、定義に見合う小さな会社への
 手厚い優遇策が加わった。これによって、経営者
 が小さな企業を成長させないまま維持するメカニ
 ズムが生まれてしまったという。
(自分たちを卑下する経営者) 
・中小の99%は要らない。うちが潰れても誰も困ら
 ない
・景気の調整弁
・大企業にとって都合のいいだけの存在
・安く作って短期で仕上げるだけしか能がない

〇 「大廃業時代」幕開け
  向こう1年で31万社が存亡の危機
・2025年には、70歳を越える中小企業の経営者が
 全体の6割を超える約245万人に達する。このう
 ち半分の約127万人が「後継者が未定」の状態
 になる。
・政策当局にも企業自身にも打つ手が尽きた場合
 計算上は2025年までに累計で約22兆円のGDPと
 約650万人の雇用が失われると帝国データバン
 クははじいた。

〇クリアすべき2つの条件
① 消滅する中小企業が生み出している付加価値
  を、残された企業(大企業中心)でカバーす
  る。
② 消滅する中小企業が生み出している雇用を、
  残された企業(大企業中心)でカバーする。
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PART2 小さな会社がないとどうなる
   中小企業、全部消えたら
   街」も「技術」も消える   034
 (省略:かなり重要で説得力のある記事ですが
  長くなりますので・・・)
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PART3 「大廃業時代」の乗り切り方
   必要な中小は残す
   実践すべき5つの知恵        040

生き残りへの知恵  1
「零細」なくして「中小」なし
 自ら支援額を引き上げ
・1~2人規模の零細企業で、熟練した職人ばかり
 の企業が「加工賃を上げてほしい」と言わずに
 黙々と作業をこなしていたが、「事業を閉じた
 い」と経営者が言い出した。
・「大廃業時代」が本格化すれば、中小製造業
 の中から、「経営は順調でも、協力零細企業の
 廃業によって危機にひんする」という事例が
 出てくる可能性も高まる。
 その意味で、自社の利益を減らしてでも零細
 取引先の実入りを増やし、サプライチェーン全
 体で一緒に生き残ろうとする動きは、今後、活
 発化するかもしれない。

生き残りへの知恵  2
中小同士、HDで団結、町工場版「LVMH」に
・先進的な中小企業の中には、さらに一歩先を読ん
 で、「持ち株会社制」を選択するところもある。
・理想のモデルとして掲げるのが世界最大規模の
 仏ブランドコングロマリット、LVMHモエヘネシー
 ルイヴィトン。LVMHは傘下に入れたブランドの
 個性を残しながら成長を続けている。
・精密加工の由紀ホールディングス(東京・中央)
 現在は13社で由紀HDグループを構成。
・空調や給排水の設備工事、イシイ設備工業
             (群馬県高崎市) 
 同社は単体で社員30人、売上高は約20億円。
 M&Aを繰り返して、グループで80人、35億に。
 下請けとして大手の一部を担うのではなく、それ
 ぞれの会社のよさを生かしながら中小企業の連合
 体として生き残る道を模索する。

生き残りへの知恵  3
「所有と経営」を分離、後継者不足を補う 
・持ち株会社の設置を通じ、「経営と所有の分離」
 を実現して難局に立ち向かう小さな会社。
・せっけん・化粧品メーカーの松山油脂(東京・
 墨田)は持ち株会社のMMGHDを設立。
 事業会社になった松山油脂とその子会社を含めた
 3社のトップは今は創業家の松山剛己社長が兼務
 しているが、5年後をめどに2つの事業会社の経営
 を非創業家の幹部に任せる計画を社内外に示して
 いる。
・所有と経営を分けることで、たとえ将来、後継者
 がいなくても会社を続けていける体制が築ける。
・HD移行を機に将来のトップ育成を進めたことで
 幹部社員の意欲が高まり、10%ほどだった売上高
 経常利益率が15%ほどに上がる成果が出ている。
生き残りへの知恵  4
「大廃業時代」を逆手に消えゆく技術の受け皿に
・金属加工のオーニック(岡山県吉備中央町)
 廃業を決めた東京の零細企業から「失われそうな
 職人技」を教えてもらい、加工会社としての競争
 力を高める挑戦を続けている。
・消えゆく技術の受け皿になりたい(難波健社長)
・技術指導料を払うのではなく経費を支給するだけ
 だが、それでも「自分のスキルを後世に残したい
 」という職人はいるという。
・都内から岡山まで数年かかって通うこともあれば
 社員が東京の町工場に行って住み込みで働きなが
 ら指導を受けることもある。
・グループ売上高は約4億円。受け継いだ技術は
 金型や部品を加工する様々な工程に生かしている
生き残りへの知恵  5
小さくとも日米中拠点、世界を舞台に存続図る
・「必要な中小企業」が生き残るための最後の知恵
 は、グローバル化。
・創業100年の機械メーカー、東京彫刻工業(東京
 ・墨田) 花輪篤稔社長。
 「大廃業時代は全然気にしていない。日本での生
 き残りではなく、どうしたら世界一になれるかを
 常に考えている」
 売上高6億円で国内の社員は33人。
・父親の代までは下請けだったが、花輪氏が経営を
 引き継いでから開発型メーカーへ脱皮を図った。
・製造拠点を中国。販売拠点を米国に開設。
・今はロサンゼルスに軸足を置きながら、営業の為
 世界中を飛び回っている。
・中国では社員の大量退職に直面するなど、道のり
 は平坦ではなかったが、「他社にできないことを
 する中小企業は、生き残っていくはずだ」
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書き出せば、他にもいろいろあります。当然です。

 中小企業基本法では、「中小企業」の定義は
 製造業などで従業員300人以下、小売業では50人
 以下等と決められ、定義に見合う小さな会社への
 手厚い優遇策が加わった。これによって、経営者
 が小さな企業を成長させないまま維持するメカニ
 ズムが生まれてしまったという。
「必要な中小企業」が生き残るための最後の知恵
 は、グローバル化。
「他社にできないことをする中小企業は、生き残っ
 ていくはずだ」

◎「経営者が小さな企業を成長させないまま維持
 するメカニズム」
◎「他社にできないことをする中小企業は、生き
  残っていくはずだ」
個人的に上記2点に特に強い印象を受けました。

中小企業の経営者からよく聞く言葉。
「中小企業の場合・・・・・」
それは、実績に裏打ちされた信念もあるのでしょ
うが、そういうことを言う人は、自社を中堅企業
に育て上げる意欲と能力を欠いた経営者ではない
のか。
少し辛口で嫌われそうですが、そんな気がします
意欲のある人なら、最後の花輪社長のように、大
廃業時代など気にせず、日本ではなく、どうした
ら世界一になれるかを考え、「他社にできないこ
とをする中小企業は生き残っていく」と、堂々と
言えるのではないでしょうか。

購読者の数によって成り立っている雑誌ならどれ
も同じとはいえ、興味を引く内容でなければ売れ
ません。
最後の花輪社長の例は、極めて例外的な実例なの
でしょうか。
いづれにせよ、これから5年、10年、20年の内に
確実に企業数は減っていくことでしょう。
小さいままで安住し、成長させようという意欲の
乏しい経営者の企業は淘汰されざるを得ない時代
になっていくということでしょうか。

もちろん、大企業だから安泰という時代でもあり
ません。
結局のところ、規模の大小というよりも、経営に
対して真摯に取り組み、それなりの能力を備えた
経営者が率いる企業が生き残る、そんな印象を私
は受けました。

言わなきゃいいのに、ついでにイヤなことを言う
と、大企業で大きなカネを、それはもちろん会社
のカネであり、他人のカネを動かしている人は、
1億、2億以下の売上げの企業を、否、売上数十億
の企業でも下に見ている人が多いでしょうが、
彼らが退職して何の信用力もなしに、自分が経営
者になって自分一人の力でビジネスを始めたら、
最初は年間粗利の100万円すら稼げないでしょう。
そういう人は、この部分を読んで、意味が分から
ず、ポカ~ンとしてるものです(笑)
福島さんは、中小企業は「要らない」と
思われますか。
あるいは、生き残るために企業規模が重要な要素
になると思われますか。

ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

福島さんの幸運な日々を祈念します。

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