【アモリ通信229:明治維新の大嘘】 20190918


福島清隆 さん

こんにちは。

キャッシュフローコーチ &
   リスクマネージャーの福島清隆です。
本日のテーマは「明治維新の大嘘」です。
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99%の日本人が知らない
明治維新の大嘘
「司馬遼太郎の日本史」の罠
  三橋貴明 
    経営科学出版   1980円+税
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また三橋貴明か・・・・・
という方が一部いらっしゃるかもしれませんが、
それはそれ、これはこれとして、内容が面白いので
取り上げます。

第1章 小国日本という大嘘
ーー鎖国をしていなければ、世界の歴史は大きく変
  わった
第2章 江戸時代・明治維新の大嘘
ーー私たちが教わった日本の歴史は、ここが間違っ
ている 
第3章
日本を衰退に導く大嘘
ーー間違った歴史観を正さねば、日本は「国家存亡
の危機」を迎える
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全139Pの本書。内容を事細かにご紹介したいところ
ですが、それでは1冊の本と同じになってしまいま
す。ここぞというところだけをいくつかご紹介させ
ていただきます。
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「仮に幕府が鎖国政策をとっていなかったとすれば
17世紀半ば頃には、おそらくベンガル湾あたりで極
東から東南アジアに進出する日本と、ヨーロッパ諸
国、とりわけ東インド経営に乗り出していたイギリ
スとの間に決戦が行なわれていただろう。
           (幻のベンガル湾海戦)
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1600年代なり、1700年代に対英戦争は避けられなか
ったとしても、さすがに大東亜戦争のように、
300万もの国民が死ぬような大戦争には至らなかっ
たはずなのだ。何しろ、当時はイギリス人もインド
まで航海することは容易ではなかった。
早期に日英戦争が勃発した場合、大東亜戦争とは比
較にならない犠牲で手打ちが行なわれ、インドや東
南アジアの権益は、イギリスを中心とする欧米と日
本による共同管理か、あるいは分かち合う形で妥協
が図られていたのではないか。
日本が東南アジアに居続けたら、アジア諸国の植民
地化はなかった!?
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江戸時代以前から日本は「小国」ではない
1750年と1850年の主要国の人口比較(千人)
        1750年     1850年
アメリカ    2,057          23,424    
イギリス        9,372          22,331
フランス       24,699          36,398
オランダ        1,992           3,080
ドイツ         19,127          33,746
ロシア         19,456          38,615
日本           28,668          32,000
・日本は少なくとも近世以降は人口大国だったのだ
・日本は稲作であるのに対し、欧州は麦作
・中世の欧州と日本を比べると、同じ土地で養える
 人口が10倍も違ったのである。
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百万都市・江戸の真実の姿とは
1750年時点で、江戸の人口は60万から70万人と、
少なくとも世界有数の大都市であったことは間違い
ない。
      主要都市人口 (人)
        1750年   1800年   1850年
ロンドン   676,000      861,000   2,320,000     
パリ          556,000      547,000   1,314,000
江戸          694,000      685,000     780,000
ニューヨーク   13,296       63,000     645,000
ベルリン      113,000      172,000     446,000 
1850年代になると、産業革命を経て工業化が進んだ
ロンドンやパリの人口が伸び、正真正銘の百万都市
へと成長していった。
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江戸期の日本の「経済規模」は、欧米に匹敵するほ
どだった
 1700年、1820年の主要国GDP(GKドル)
         1700年     1820年     
アメリカ       527     12,548   
イギリス          10,709         36,232
フランス          19,539         35,468
オランダ           4,047          4,288
ドイツ            13,650         26,819
ソ連圏            16,196         37,678
日本             15,390         20,739

GKドル:アンガス・マディスン享受が国際比較の
為に採用している通貨単位
ペリー来航時、日本の経済規模は、欧米諸国に
匹敵するほど大きかった
「ペリーの黒船」が来日した時点で、日本が
「小国」であったというのは間違いだ。
当時の日本の「経済規模」は、欧米諸国に匹敵
するほどに大きかった。
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なぜ、経済規模も小さいアメリカの言うままに
開国したのか
・日本と欧米の違いは二つしかなかった。
 すなわち、兵器と技術だ。
ここでいう技術とは、生産活動のための技術であ
る。より具体的に書くと、軍事革命と産業革命だ。
江戸時代の日本が小国に「感じられ」、実際に
欧米に強制されるように開国、開港に踏み切らざ
るを得なかったのは、我が国が軍事革命も産業革
命も経験していなかったためなのだ。
アメリカの目的(というより「要求」)は二つ
一つ目が、アメリカ人が難破して日本に漂着して
しまった際に、母国に戻すプロセスを確定するこ
と。
二つ目は、アメリカが寄港した際に、石炭を売る
こと。
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歴史は英雄では動かない。経済が動かす。
厳密には、経済的な動きに英雄が乗っかることで
歴史が紡がれるのだ。
とはいえ、一般的な史書は「英雄の物語」で、そ
の基盤たる経済は無視される。
結果的に、様々な誤解が生じ、人々に共有されて
しまうのである。
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(私見)
著者の意図を正しくお伝えする為には、もっと
もっと解説が必要な気がしますが、自重して、
結論的なまとめに入ります。
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◎◎◎
日本が大国であることを理解した上で、現実の問題
に向きあわなければならない。
・日本が大東亜戦争敗北前、あるいは明治維新から
 大国だったことを理解し、その上で現状に危機感
 をもつべきなのだ。
 理由は、経済成長率が低迷し、現実の日本が次第
 に小国化していってるためだ。
・日本が経済成長しない理由は簡単で、もちろんデ
 フレーションの継続である。 (中略)
・日本が大国であることを理解したらば、
「デフレ脱却と経済成長のために、国民一丸となっ
 て頑張ろう」となるわけだが、小国だという誤解
 があると、
「日本は小国から一時的に大国になっただけで、
 この後は下り坂だ。仕方ない」といった諦観を
 国民が抱き、間違った方向へ自分を慰めようとす
 る。
・日本が明治維新後に初めて大国化したと誤解して
 いる日本人は本当に多いが、理由の一つは司馬遼
 太郎の「坂の上の雲」であろう。元々は小国だっ
 日本が、坂の上に上っていく。「坂の上の雲」は
 まさにそういう筋立てになっているわけだが、日
 本が小国だったならば、世界最大の領土を持ち、
 欧州列強の一国であったロシアに勝てるはずがな
 い。
・厳密には、ロシアに勝てるほどの「急成長」を
 小国から成し遂げるなど、絶対に不可能である。
 そんな奇跡は、人類史上、一度も起きたことがな
 い。そもそも、日本は大国だったのだ。江戸末期
 の日本に不足していたのは、兵器と蒸気機関に関
 する技術のみで、それ以外は全て存在した。
・繰り返しになるが、江戸時代の資源生産性は、
 文句なしで世界最高だった。資源小国の日本が、
 外国から資源を輸入せず、江戸という百万人都市
 を維持していたのである。
・それにもかかわらず、江戸時代までの日本は小国
 だ、と勝手に思い込む。そして、元々が小国なら
 ば、現在の日本国の衰退や小国化も「元に戻るだ
 け」という認識になってしまうのである。結果、
 デフレ脱却や経済成長のための努力が放棄される
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〇 小国意識は、諦めを生む
〇 経済成長を否定すると、投資をしなくなってし
  まう
〇 近い将来、我が国は「国家存亡の危機」を迎え
  る
〇 日本国民は改めて「歴史」を学ぶ必要がある
・日本国民が歴史を知らず、あるいは間違った歴史
 観を持ち続け、縦軸のナショナリズムが復活しな
 い限り、経済成長はなかなか難しい。
・歴史とは過去の先人たちの生活であり、投資であ
 り、経験と成長の蓄積である。
・日本の縦軸のナショナリズムの中心にあり、かつ
 横軸のナショナリズムの象徴でもある皇統を知る
 ことで、日本国民は「将来のために、自分はなに
 をするべきか」を考え始めるだろう
・というわけで、読者の方々には、今後も地政学や
 皇統を含む「歴史」を学んでほしいと、切に願っ
 ている。
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『江戸時代以前から日本は「小国」ではない』
『日本が大東亜戦争敗北前、あるいは明治維新から
大国だったことを理解し、その上で現状に危機感
をもつべきなのだ。
理由は、経済成長率が低迷し、現実の日本が次第
に小国化していってるためだ』
明治維新前どころか、江戸以前から日本は大国
だったのだという見解は初めて知りました。
「ペルーの黒船」にしても「大国アメリカ」が
力で攻めて来たら、こりゃ敵んな・・・
などと勝手な先入観で決め付けてしまっている
自分。そのころのアメリカは、人口も経済規模も
日本とそれほど変わらなかったか、あるいはまだ
日本の方が上位だったようで。
そんな話、初めて知ったぞ・・・
(だから、戦争すりゃよかったのに・・・などと
言ってるわけではありません・・・念の為!)

日本は国際社会を生き抜くうえで、もっともっと
自信を持っていくべきなんだろうなと。

内心、過ちを自覚していても、それを認めると滅
びてしまう、という歴史観ゆえに決して過ちを認
めない某国との接し方も、毅然として原則を曲げ
ない強さをもって臨むべきだろうなと、つくづく
感じます。変に妥協しちゃいけない。そうなった
ら、いつまでも舐められるでしょう。

最後に三橋貴明氏が説く「今後も地政学や 皇統を
含む「歴史」を学んでほしい」という意味が、本書
を読んで更によく分かるようになりました。
福島さんは
『江戸時代以前から日本は「小国」ではない』
『日本が大東亜戦争敗北前、あるいは明治維新から
大国だったことを理解し』
という見解をどのように思われますか。
ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

福島さんの幸運な日々を祈念します。

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