【アモリ通信211:日本型S&OP】   20190515


福島清隆 さん


こんにちは。


キャッシュフローコーチ &
   リスクマネージャーの福島清隆です。
本日のテーマは「日本型S&OP」です。

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   日本型S&OP

      在庫管理の常識が変わる


 LOGI-BIZ  2091 3  MARCH 

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今回は極めてニッチというか専門性が高いというか
(否、それは案外いつも同じことか?)、関心のな
い方はスルーして下さい。


いきなり自分から言ってて、ドォ~スル!!(汗)


毎月購読している物流関連の月刊誌「LOGI-BIZ」
からテーマを選びました。

物流・流通に関心のない方には特に響くところはな
いかもしれません (汗×2)


まがりなりにも、定年前は物流分野に日々属してい
た私にとって、専門誌で「S&OP」などという聞き慣
れない「単語」が出てくると「なんだこれは?」と
いうことになります。

これまでも「LGBT」「SDGs」など、恥ずかしながら
初めて知る単語をとり上げてきました。

まさか、元?自分の専門分野で知らない単語に接す
るとは思っておりませんでした。

で、初めに簡潔に結論を言っておくと。

「S&OP」とは
『モノ+カネの両面から在庫を最適化すること』
という理解でいいと思います。

「S&OP(Sales and Operations Planning)」

そして、S&OPを語る前に「SCM」(サプライチェー
ンマネジメント)について簡単に説明します。

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SCM【supply chain management】

サプライチェーン・マネジメント。商品の企画、
部材の手配から始まり、製造・販売にいたるまでの
商品と情報の流れがサプライチェーンである。

サプライチェーンのなかで、企業や組織の壁を超え
ひとつのビジネス・プロセスとして情報や資源を
共有し、サプライチェーンの全体最適を達成しよう
とする管理手法である。

https://kotobank.jp/word/SCM-1470

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業種によるかもしれませんが、「SCM:サプライチ
ェーンマネジメント」という言葉は、製販(生販)
や流通に関連した仕事に携わってこられた方には、
馴染みのある言葉ではないかと思います。


今回の主旨は、SCMとS&OPの違いを論じ、なぜ日本
ではS&OPが定着しないかを説明したものです。


SCMについては上記で説明しましたが、S&OPに関し
て、同誌からポイントを抜き出して掲載します。

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〇 儲かるSCMを創る

・SCMの要件が変化している。
 在庫削減や業務効率化などの従来からのテーマに
 加え、新たな要素が求められるようになってきた
  この5~6年のことだ。在庫をモノとして管理して
 その数量を最適化するだけでなく、金額的にも最
 適化したいという声が、われわれコンサルティン
 会社に頻繁に寄せられるようになっている。
 在庫の数量を管理しているだけでは、誤った経営
 判断を下してしまう可能性があるからだ。

・経営層あるいは経営管理部門は常に金額に基づい
 て意思決定をしている。これまでいくら儲かった
 のか、金額を把握して、これからいくら儲けるの
 か、将来の業績を計画する。
 それに対して、SCM部門は数量で需給をコントロ
 ールしている。実績を数量で経営層に報告し、
 将来の需要も数量で報告する。

・しかし、その数量と経営層が掲げた業績目標には
 乖離がある。事業計画や予算を立案した時点の
 在庫の売価や利益はあくまでも想定だ。
 株主から期待に沿った数値で実態とかけ離れてい
 る場合もある。また、実際の売価は販売するまで
 確定しない。通常は時間と共に売価は低下する。
 それが進めばコストを割り込む。
 ”賞味期限”が過ぎれば価値はゼロになる。
 数量だけで管理していると、需給調整には成功し
 ても利益が出ないという事態に陥ってしまう。

・同じ計画を経営層はカネ、SCM部門はモノとして
 捉えている。そのため経営層の方針や戦略が
 SCM側に適切に反映されづらい。一方、SCM上の
 計画と実績とのギャップや業務の問題点も経営層
 に正しく伝わりづらい。

・さらには、日本企業の最後まで「がんばる体質」
 が逆影響を及ぼす。
 期末が近付いたころになり初めて、事業部門から
 経営層に予算を達成できないという報告が上がる
  上場企業であれば業績予想の修正を余儀なくさ
 れる。それがたとえ上方修正であっても、業績予
 想がなぜ外れたのか、株主から説明を求められる
 時代である。

・そんな歯がゆいSCMに業を煮やした経営層が、
 「S&OP(Sales and Operations Planning)」に
 注目するようになっている。
 その目的は至ってシンプルだ。
 儲けるーーーそのためにモノとカネの両面から
 計画の適正化を図る。従来のSCMが計画の数量だ
 けを管理していたのに対して、S&OPは計画を金額
 に読み替えることで業績の見通しを示す。

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LOGI-BIZの今回は特集はP15~P44で40Pあります
長々と所々、転載してもいいのですが、要点を知る
には、上記の文章を読むことで充分ではないかと判
断します。

ただもう少し、SCMとS&OPの違いについて説明してあ
る図を転記します。


        上段:SCM     下段:S&OP

志向          オペレーション
        経営

管理対象    モノ
        モノ+サービス

管理情報    数量
        金額(利益)

管理期間    短期
        中・長期

連携      指示・実行とのつなぎ
        予算とのつなぎ

アウトプット  生販計画
        着地見込み

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S&OPについてさらに詳細に記載しても、専門性が
高くなり過ぎるように思われるのでこれくらいに
しておきます。

今回はLOGI-BIZの全40Pをpdf化しません。
その代わり、下記のサイト等をご確認いただければ
より理解が深まると思います。

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S&OPが可能にする収益確保・企業価値向上
- S&OP本格的展開開始の提言 -
https://www.qunie.com/lp/sop/


S&OPで「金額ベースのサプライチェーン最適化」
をはかるデュポン
https://www.sapjp.com/blog/archives/5029


SCMとSCPとS&OPの違い
https://mhisaeda.com/archives/183


日本のモノづくりのアキレス腱「利益率」を改善
する近年型/発展型S&OPとは? (1/2)
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1208/20/news002.html

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日本の企業数は、中小企業庁のデータでは約380
数万社です。

その中で大企業と定義される企業数は約1.1万社
であり、比率的には0.3%と言われとぃます。
逆に云うと日本の企業の約99.7%は中小企業です。

99.7%の企業で、更に従来からSCMについて意識し
ており、今後はS&OPについても関心を示せる企業
が果たしてどれくらいあるものでしょうか?

今回のテーマは、中堅企業以上の企業でしか参考
にならないのでしょうか?

個人的にそういうことを感じてしまいました。


しかしながら、やはり「経営」には「カネ」が
つきものであり、基本的には常に「カネの流れ」を
把握することに、企業規模の大小は関係ないと思い
ます。


ビジネスで「モノ」を扱い、「在庫」のある企業は
従来のSCMに留まらず、S&OPという概念を取り入れ
ていくべきなのであろうと、そういう感覚に私はな
りました。

現在、「キャッシュロ-コーチ」としてもビジネス
ができるようになっているので、この視点からも、
「キャッシュフロー経営」を語れると個人的に納得
しています。


福島さんは「S&OP」という言葉をご存知だっ
たでしょうか。
また、これは大企業の話で、中小零細企業には関係
ないと思われるでしょうか。




ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。




最後まで読んでいただきありがとうございます。




福島さんの幸運な日々を祈念します。




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